この記事をまとめると

クルマにまつわる「都市伝説」のような噂がいくつか存在する

■ウソを信じてしまうとクルマの安全や耐久性に支障をきたすことも

■この記事では5つの事例の真意について解説する

ウソを信じてしまうと安全なカーライフに支障をきたすことも

 価値観や常識というのは時代とともに変化していくもので、ときにはまったく当てはまらなくなることもある。また、そもそもウソだったりすることも……。気になるのはそれらを信じてしまっている人がいることで、何事も正しい知識は必要となるし、クルマの場合それは安全運転や耐久性などにも関わってくるのでなおさらだ。今回は、そんな都市伝説的な話を集めてみた。

安いガソリンには水が入っている

 激安スタンドというのが存在する。いわゆる見かける石油会社のブランドではなく、無ブランドだったりするから、なんか怪しいと思ってしまうこともある。ただ、見かけないブランドだからといって扱っているのは変なガソリンではなく、商社系や独立系と呼ばれるもので、通常とは別ルートで仕入れているだけ。もちろん品質的には問題ない。

 そもそも水が入っていると言われても、水とガソリンは混ざらない。ただ悪徳なのは昔はあるにはあって、正確には灯油やアルコールを混ぜて、販売して摘発されてニュースになることもあった。ちなみにこれらは安くというよりも、通常の価格で売っているところが多かったように思う。

エンジンブレーキはエンジンが壊れる

 アクセルを戻すと、低いギアだとかなりの抵抗があるし、うなるような音がすることから、不安になるのだろう。壊れそう、という意見は昔からある。

 気持ちもわからないではないが、ただ通常とは逆の入力なだけで、壊れることはないし、電子制御となった現代ではガソリンの供給はアクセルを戻すと止まるので、シリンダー内部で爆発も起こっていないのでなおさらだ。

マニュアルモードについてもクルマへの負担はない

マニュアルモードはATやATFに負担がかかる

 こちらもエンジンブレーキに近い印象ゆえだろうが、シフトをダウンすると回転が一気に上るので、負担は大きそうに思いがちだ。ただ、通常は自動なのを手動で行っているだけで、メカ的には負担はない。もちろん、内部に充填されているATFについても同じだ。急加速時などの負担を考えれば、マニュアルモードでの変速は軽いものである。

エンジンオイルは3000km/3カ月毎に交換

 資源や費用の問題は別として、毎月替えるなど、もちろんこまめに交換する分には問題はない。とはいえ、適正なインターバルで考えると、その昔は3000km/3カ月毎や長くても5000km/半年毎と言われていたのは事実。それを今でもアピールしているガソリンスタンドや修理工場もある。最近のクルマの指定は1万kmを超えていて、時間的にも1年毎だったりする。

 これはギリギリのラインとして、余裕をもたせても7〜8000km毎程度で問題ないし、時間は1年毎で十分だ。早めに交換してもらったほうが商売的にはいいので、昔ながらのインターバルが今でも喧伝されているのだろうが、オイルやエンジンの質、メカ的な仕組みも大きく変わっているので、それほど早く交換する理由は今やない。ただシビアコンディションに該当する場合は早めに交換したほうがいい。またオイルフィルターはオイル交換2回に1回の交換だったのが、現在はオイル交換毎ごとに交換だ。

新車購入後すぐにワックスをかけてはダメ

 お手入れ好きの間では昔からよく言われていること。理由としては塗られたばかりでまだ完全には乾燥していないのでワックスをかけると油分によって塗装にダメージがあるから。確かに昔の塗装は完全乾燥までに時間がかかったので、正しかったかもしれない。

 では今はどうかというと、溶剤は最少限で硬化剤で固めるので完全乾燥までが短い。さらに言ってしまうと、水性塗料に置き換わっているので、ワックスの影響も受けにくい。そもそも手元に納車された時点で、塗ってからけっこうな時間が経っていたりもする。ただ、補修で塗った場合はワックスをかけてはダメなこともあるので、作業をお願いした業者に確認するといい。