名波(7番)や山田(10番)らを擁する90年のチームは“史上最強”と語り草に。主力メンバーのほとんどが後にJリーガーとなった。写真:サッカーダイジェスト

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 今年で第100回大会を迎える全国高校サッカー選手権大会。この歴史ある大会を登竜門として、多くの選手がプロの舞台へ、あるいは日本代表へ、はたまた海外へと羽ばたいていった。とりわけ、古豪と呼ばれる全国の常連校からは多数のスター選手が生まれている。本稿では、サッカーダイジェストWeb編集部が強豪校別に独自のベストイレブンを選定してみた。今回は、選手権優勝3回、インターハイ優勝4回、全日本ユース優勝5回と、全国制覇は12回を数える清水市商高にフォーカスする。

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 2トップは、前線で抜群の存在感を発揮しチームの攻撃を支えた2人をセレクト。青嶋文明は、64回大会で選手権を初制覇した時のエースストライカーで、安永聡太郎は選手権、インターハイ、全日本ユースいずれの大会でも優勝を経験した。

 中盤は多士済々。攻撃的MFには、当時から圧倒的なスキルを見せつけた小野伸二と、絶大なキャプテンシーを示した三浦文丈を選出。次点には、高校生ながら79年のワールドユースに出場した風間八宏、頼れる司令塔としてチームを操舵した藤田俊哉を選んだ。

 右サイドは、1年次からレギュラーに食い込み、67回大会の選手権ファイナルでの決勝弾など、ここぞという場面で勝負強さを発揮した山田隆裕。世代屈指のタレントとして名を馳せたアタッカーは外せない。鋭い突破を武器に活躍した水野晃樹と同じく、甘いマスクでも人気を博した。左サイドは、安永と同期で多くのタイトル獲得に貢献した佐藤由紀彦。彼ら2人が1年の時に最上級生としてチームを引っ張った平野孝も印象深いひとりだ。

 アンカーは、得点力やゲームメイクなどマルチな才能が光る望月重良を抑えて、“史上最強”と語り継がれる90年のチームで異彩を放っていた名波浩を一番手とした。

 ほとんどの主力メンバーが後にJリーガーとなったその90年のチームで、名波と同学年の薩川了洋と大岩剛に加え、高い戦術理解度を備えた田中誠が3バックを形成。守護神は、72回大会の選手権で腕章を巻き優勝へと導いた川口能活も捨てがたいが、青嶋とともに輝かしい歴史の幕開けとなる“1冠目”に尽力した真田雅則を推したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部