中国人の移動手段としてすっかり定着した中国高速鉄道は、路線が中国全土に拡大し、非常に便利になったと言える。高速鉄道駅では、入場前に必ず保安検査があり、エックス線検査機による荷物検査及び金属探知機による検査、さらにボディチェックまで行われる。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国人の移動手段としてすっかり定着した中国高速鉄道は、路線が中国全土に拡大し、非常に便利になったと言える。高速鉄道駅では、入場前に必ず保安検査があり、エックス線検査機による荷物検査及び金属探知機による検査、さらにボディチェックまで行われる。

 これに慣れている中国人からすると、日本の新幹線では検査が行われないことに非常に驚くようだ。中国メディアの網易はこのほど、日本では新幹線乗車前の保安検査が必要ない理由について紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、新幹線中国高速鉄道を比較すると、速度では中国の方がずっと速いと指摘した。中国では最高時速350キロで運行しているからだが、日本新幹線の方が「利便性が高い」だと感じるという。なぜなら、新幹線では保安検査の必要がないからで、日本の駅では警備員の姿すらほとんど見かけないと伝えた。

 この理由について記事は、すでに多くの路線や駅がある新幹線で保安検査を導入するには、大量の資金を投入する必要があるので、鉄道会社は乗り気ではないと分析した。また、日本の高速鉄道や電車は「利便性」を理念としており、人流が多いのにいちいち検査をしていたら、「渋滞」してしまうと指摘している。

 日本でも電車や新幹線車内で凶悪な事件が発生したこともあるが、極めてまれな例であり、基本的には保安検査しなくてもとても安全だと記事は紹介した。そして、日本の鉄道が時間に正確なのは、保安検査の必要がない利便性とも関係があるのだろうとしている。

 中国では、高速鉄道のみならず中長距離バスや地下鉄でも乗車前の保安検査を行っており、それだけ危険なことが起きる可能性があるがゆえの予防措置ということだろう。利便性を犠牲にしなければならないほど治安に不安があるのが中国の現状だと言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)