主婦業のかたわらエッセイストとしても活動する若松美穂さんが、楽しく、豊かに暮らすためのさまざまな工夫をつづります。
今回は、青森県・奥入瀬旅の母娘二人旅の様子をレポートしてくれました。



母と奥入瀬旅を満喫!温泉に食事…快適な大人旅に大満足



仕事で忙しかった割に、海外旅行も国内旅行も楽しんだ母。「もう一度どこかにと言われたら、奥入瀬に行ってみたいわね〜」が口癖でした。そんな母の願いが叶い、今回二人で訪れたのは、「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」。紅葉には早い時期でしたが、日中は上着が1枚あれば、心地よく過ごすことができるいい季節。


ホテル内は、自然になじんだ外観とひと味違う重厚な趣があります。思わず声をあげたのは岡本太郎作の大暖炉【東館:森の神話・西館:河神(遺作)】。その奥の大きな、大きな窓からは緑の木々を額で縁取ったように見えます。ホテルでのんびり過ごすことが大好きな私は、ここでコーヒー片手に、のんびりと会話や読書をして過ごすのもいいな〜と。

●大人旅には、オプションの「渓流オープンバスツアー」がいい




お部屋に入る前に私たちが楽しんだのは、360度奥入瀬の絶景を眺めることができる、開放感抜群の「渓流オープンバスツアー」(要予約)。母は帰宅後も「あれはよかったわね〜♪」と。初めての私も、丁寧な説明を伺うことで、奥入瀬通になったような気持ちになりました。杖をついているご年配の方も参加されていて、十和田湖までの14キロ、歩くだけではない楽しみ方があることを知りました(要予約)。


今回宿泊させていただいたのは、「渓流ツインルーム 半露天風呂付」のお部屋。すぐ脇を渓流が流れています。窓から景色を楽しむことができるよう、大きなソファがうれしい。片道4時間半の長旅に、母はソファにもたれると心地よさから間もなくウトウト(笑)


窓をあけると、澄んだ風が入ってきました。うれしかったのは、お風呂の窓も全開になるところ。渓流の景色を存分に楽しむことのできる半露天風呂でした。


風呂好きとしては、滞在中何度でも“天然”の温泉を満喫でき、なんとも贅沢なお部屋です。母曰く、祖母が年を重ねてから、旅先でお風呂に連れていくことが大変になったのだと。「こんなお風呂つきのお部屋を取ったら、とても喜んだのよ」と、思い出話にも花が咲きました。

●創意工夫に満ちたディナー。タコの「道具汁」って?




夕食はビュッフェもありますが、青森と奥入瀬渓流ホテルをさらに楽しむのであれば、フレンチレストラン「Sonore(ソノール)」での時間がおすすめです。


夕食にしては、やや早い時間にレストランへ…とのことだったのですが、その理由を知り、驚きました。レストランの扉を開けると大きな木のオブジェが。「なに? なに?」。気持ちが高まります。さらに奥の扉を開けると、渓流沿いの素敵なテラスにご案内いただきました。


陽が落ち、渓流とほのかな明かりの組み合わせも魅力的。じつはこちら、夕食の前に渓流沿いのすてきなテラスで、アペリティフと飲み物を楽しんだ後、メインダイニングのコースに移動するのです。


防寒用に、ロング丈のダウンコートを貸して下さる配慮も、とてもありがたかった(寒さでこちらの利用は難しい時期もあるとのこと、お問い合わせくださいませ)。


星野リゾートさんは、いくつか伺ったことがありますが、どこも個性的。私感動して、旅好きの家族LINEに、すぐに写真を送りました。「見て、この雰囲気を! みんなも来た方がいいよ〜」と。


お夕食は9品。素材だけが書かれたメニューに、なにがどう出てくるのか、楽しみでしかありません。


盛りつけ・お皿・後乗せ・後がけのパフォーマンスも楽しく、マグロやサバなど食材は食べ慣れたものですが、工夫が多く、一つ一つが手の込んだお料理。マグロと重ねて出てきた、ナスのソルベは初めていただきました。コチと生のピーナツの組み合わせもおもしろい。


ホタテは蒸し物になって、上にトリュフソースが塗られ、さらにたくさんの花びらのような薄切りのトリュフで覆われていました。Wトリュフを満喫。名前から興味をそそられたのは、「道具汁」。出身の宮城県では、アワビのワタやイカの肝はいただきますが、タコの肝を使った料理は初めて。しかも名前のイメージを覆す、繊細でかわいらしいお料理。


お魚料理はヒラメ。とても分厚くて、もとの大きさはどれくらいですか? と伺ったくらいです。想像以上でびっくり! 料理長さんが滋賀県の方のようで、お肉は滋賀から良質のお肉を。メニューに、「牛・菊」と書いてあって、食用菊は想像できましたが、さらに菊芋を使っていて、こちらもW菊の取り合わせ。楽しい〜♪


口直しのシャーベットはブドウとミョウガですって。シャーベットにミョウガ…初です。デザートは大好きなピスタチオのアイスクリームに加え、イチジクの中にチョコレートが入って焼かれています。割るとフォンダンショコラのように、トロリとチョコレートが。最後は、ご当地南部煎餅に見立てたフィナンシェとコーヒーやハーブティ。


こちらの夕食のさらなる楽しみは、ワインのペアリング。料理9品に対してデザートワインまで含め7種のワインを楽しませていただきました。どれもピッタリで、個人的には、トリュフや道具汁に合わせて選んで下った、樽の香りが楽しめる「ヴァン・ジョーヌ シャトー・シャロン」が、とても印象に残っています。

※時期により、内容、食材の産地が異なる場合があります。


初日最後の楽しみは、大きな窓に映像を映しだし、奥入瀬について説明して下さる「森の学校」です。バスツアーで聞き流したところや、翌日の散策で役に立つ情報がホテル内で、しかも湯上りの格好で楽しむことができます。もちろん、お部屋でもう一度お風呂を楽しんでから、ぐっすり眠りました。

旅行記は、次回に続きます。

【若松美穂(わかまつみほ)】



お金をかけずにセンスと工夫でおしゃれに暮らすカリスマ主婦読者として、生活情報誌『ESSE』や『サンキュ!』などで紹介され人気者に。2011年、心理カウンセラーの資格を取得。主婦業のかたわら、エッセイストとしての執筆活動のほか、講演、各メディアへの出演など多方面で活躍。夫と娘2人、母親の5人家族。埼玉県在住。公式サイト「“いま”と“みらい”のへや
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