人類が生まれるよりはるか昔に地球には恐竜や大型の哺乳類がすんでいました。

１千万年前の関東平野は海底で、栃木県内ではクジラの化石が見つかったこともあります。　　　

「地元を好きになってもらいたい」大昔の生き物を通じて自然や地域を知るきっかけにしてもらおうと小山市在住の絵本作家がプロジェクトを進めています。

オオヤマネコにアンキオルニス、そしてあの映画にも登場したスピノサウルスまで。

キャンバスは絵を描くための布ではなく校舎の壁面です。

大島英太郎さん（６０）小山市に住む絵本作家です。

昔から恐竜や野鳥が大好きだったという大島さん。

出版社との縁もあり３４歳の時に、絵本作家としてデビューしました。

描いた絵本は１０冊以上。代表作のひとつ「鳥になったきょうりゅうのはなし」は小学３年生の国語の教科書に採用されています。

大昔の生き物は日々新たな事実が発見されるため、描くことは簡単ではありません。

大島さんの創作意欲は溢れ現在も次の出版を目指して精力的に活動を続けています。

大島さんが学校で絵を描き始めたのは８月の上旬。家から徒歩１０分の城南小学校がアトリエです。

登下校時に児童が身に着けるバッジのデザインを手掛けるなどもともと学校と交流があり、創立４０周年の記念に絵を描いてほしいと依頼を受けました。

コロナ禍の影響もあり、作業は児童のいない放課後にひっそりと進めています。

昇降口の近くの廊下に描いているのは小山市をはじめ北関東で化石が見つかった恐竜や哺乳類。

その反対側の壁には市の南部にかかりラムサール条約に登録された自然豊かな湿地がある渡良瀬遊水地にせい息する生き物を描く予定です。

児童へのお披露目の場となる創立記念式典までおよそ１カ月。

「古代と現代の生き物を通して地元を好きになってほしい」

大島さんはきょうも静かに筆を執っています。