50代、自分のものはクローゼットに入る量だけ。 実家の片づけで気づいたこと
生きているとどんどん増えていってしまうもの。実家の片づけを経験して、もののもち方を見直したというブロガーの中道あんさん。
今回はその経験とともに、自身のものはクローゼット1つに収まるように決めたと言います。そんなもち方についてづづってもらいました。
50代はまだまだ若いのですが、体力的にだんだんと無理が効かなくなります。40代後半から実家の片づけに手をつけ、54歳で実家を処分。そのミッションを遂行した経験から「なるべくものを持たずに、身軽に生きたい」これからは、シンプル&スマートに暮らしていこうと決めました。
リフォームしたダイニングキッチン
去年、60代の暮らしを見据えて自宅をリフォームしました。リフォームの場所は家族が集う1階のリビングダイニングと自分の部屋です。思いきって嫁入り家具の洋服ダンスを処分したことでもちものの量が大きく変化しました。
元々あったクローゼットを新しくつけ替え、自分のもちものをすべて収めました(クローゼット収納については後述)。元々、もちものは少ないほう。それでも、半年以上かけてもちものを見直し、リフォームに臨みました。その理由は実家を片づけた経験からです。
父が亡くなったのをきっかけに、母を引き取り同居しました。実家は私と妹の部屋はそのままで、妹の部屋には家財道具が山積み状態。親が高齢になると、ものを管理する能力が低くなるのか、日用品などは陳列棚に飾れるほど在庫を抱えていました。夫婦ふたり暮らしになっているにも関わらず、「すてきだった」という理由から買った食器の数々は、デパートの包装紙に包まれたまま、押し入れにぎゅうぎゅう詰めに。
平成以降、手軽な価格な洋服が出回ったせいか、どんどん増えた母親の洋服はタンスには収まりきらず、6畳の和室と2畳の物置にはハンガーパイプに収納。びっしりかけられた洋服の重さでパイプがたわむほどに。床は足の踏み場もないほどにものが散乱。
きれい好きだった父は高齢で片づけられず、段ボール箱のものを詰めては積み上げ、その数はウン十個に。父が亡くなるまでにプチリフォームを兼ねて大がかりな片づけを2回しました。2トントラックの荷台に山積みになった不用品の山にはあきれ返りました。
高齢になってからでは、管理や処分する気力も体力も残ってはいません。だから仕方がなかったとは思うのですが、それを片づける子世代だって、いい歳になってしまっては相当の気力と体力、そしてお金も必要でした。
生活するうえで必要なものは、そんなに多くはありません。ひとり暮らしの娘は小さなクローゼットが1つあるだけの部屋で快適に暮らしているようです。立って半畳寝て一畳と言われるように、人間一人が占める広さはそんなもの。必要以上の空間を抱えると、それに伴いものが増えていく、加齢とともに管理できなくなるのです。
開かずのもの入れから出てきたもの
かく言う私も、自宅の開かずのもの入れからは、すっかり存在を忘れていたものがどんどんでてきました。ものは使ってこそ魂が宿り、存在が光ますが、使われないと死んだように輝きを失います。なので、開かずのもの入れには、空っぽにしておくことにしました。そうすれば、しまい込んで忘れることはありません。
すべてを把握するには、ぱっと見てわかることが大事です。クローゼットが物置きのようになってしまうと
・着たい服が取り出せない
・存在を忘れてしまう服がある
・いつも探しもので時間を費やしイライラ
・扉を開けるたびに、自分にうんざりする
・時には頭の上にものが落ちてくる
ということになります。なのでクローゼットや押し入れは7〜8分目の容量に抑えるようにしました。たくさん洋服を持っていたって体はひとつなのだから。
現在の私のクローゼットです
昔買ったスーツは値段も高く生地もよいけれど、もう着ることはありません。それを管理する場所も時間も本来はコストがかかっています。そう考えると、勿体ないからという理由で持ち続けることこそ勿体ない。リサイクルにだしたりしてすっぱりと処分しました。
クローゼットは私のすべてが詰まっています。実家からもち出した思い出の品は大きな風呂敷つつみ1つ分。もう見ることはないだろうけれど、いつか将来、家族が自分のルーツとして触れてくれたらいいかなと思いまとめてあります。無印良品のコンテナ3つは、3人の子どもたちの幼き頃からの思い出の品が詰まっています。これは、私が実家からもちち出した風呂敷包みと同様に、どうするかは将来子どもたちが決めればいいことです。
著述家、ブロガー。1963年、大阪府生まれ。26歳で結婚し、2男1女を授かる。家事と育児、お小遣い稼ぎの仕事とママ友ライフを幸せに送るが、やがて子どもの成長とともに自分自身の将来に目を向けるようになり、正社員として働き始める。結婚22年で夫と別居。2019年正社員から「自分らしく生きたい女性のための発信塾」を起業。4歳になるイングリッシュコッカースパニエルと日々の暮らしを楽しんでいる。ブログ「女性の生き方ブログ! 50代を丁寧に生きる、あんさん流
」主宰。著書に『50代、もう一度「ひとり時間」
』(三笠書房)がある
今回はその経験とともに、自身のものはクローゼット1つに収まるように決めたと言います。そんなもち方についてづづってもらいました。
50代のクローゼット。実家の片づけを経て気づいたもののもち方
50代はまだまだ若いのですが、体力的にだんだんと無理が効かなくなります。40代後半から実家の片づけに手をつけ、54歳で実家を処分。そのミッションを遂行した経験から「なるべくものを持たずに、身軽に生きたい」これからは、シンプル&スマートに暮らしていこうと決めました。
●実家の片づけを経て、考えた「もののもち方」
リフォームしたダイニングキッチン
去年、60代の暮らしを見据えて自宅をリフォームしました。リフォームの場所は家族が集う1階のリビングダイニングと自分の部屋です。思いきって嫁入り家具の洋服ダンスを処分したことでもちものの量が大きく変化しました。
元々あったクローゼットを新しくつけ替え、自分のもちものをすべて収めました(クローゼット収納については後述)。元々、もちものは少ないほう。それでも、半年以上かけてもちものを見直し、リフォームに臨みました。その理由は実家を片づけた経験からです。
父が亡くなったのをきっかけに、母を引き取り同居しました。実家は私と妹の部屋はそのままで、妹の部屋には家財道具が山積み状態。親が高齢になると、ものを管理する能力が低くなるのか、日用品などは陳列棚に飾れるほど在庫を抱えていました。夫婦ふたり暮らしになっているにも関わらず、「すてきだった」という理由から買った食器の数々は、デパートの包装紙に包まれたまま、押し入れにぎゅうぎゅう詰めに。
平成以降、手軽な価格な洋服が出回ったせいか、どんどん増えた母親の洋服はタンスには収まりきらず、6畳の和室と2畳の物置にはハンガーパイプに収納。びっしりかけられた洋服の重さでパイプがたわむほどに。床は足の踏み場もないほどにものが散乱。
きれい好きだった父は高齢で片づけられず、段ボール箱のものを詰めては積み上げ、その数はウン十個に。父が亡くなるまでにプチリフォームを兼ねて大がかりな片づけを2回しました。2トントラックの荷台に山積みになった不用品の山にはあきれ返りました。
高齢になってからでは、管理や処分する気力も体力も残ってはいません。だから仕方がなかったとは思うのですが、それを片づける子世代だって、いい歳になってしまっては相当の気力と体力、そしてお金も必要でした。
●自分のものはクローゼット一つに収まるように
生活するうえで必要なものは、そんなに多くはありません。ひとり暮らしの娘は小さなクローゼットが1つあるだけの部屋で快適に暮らしているようです。立って半畳寝て一畳と言われるように、人間一人が占める広さはそんなもの。必要以上の空間を抱えると、それに伴いものが増えていく、加齢とともに管理できなくなるのです。
開かずのもの入れから出てきたもの
かく言う私も、自宅の開かずのもの入れからは、すっかり存在を忘れていたものがどんどんでてきました。ものは使ってこそ魂が宿り、存在が光ますが、使われないと死んだように輝きを失います。なので、開かずのもの入れには、空っぽにしておくことにしました。そうすれば、しまい込んで忘れることはありません。
すべてを把握するには、ぱっと見てわかることが大事です。クローゼットが物置きのようになってしまうと
・着たい服が取り出せない
・存在を忘れてしまう服がある
・いつも探しもので時間を費やしイライラ
・扉を開けるたびに、自分にうんざりする
・時には頭の上にものが落ちてくる
ということになります。なのでクローゼットや押し入れは7〜8分目の容量に抑えるようにしました。たくさん洋服を持っていたって体はひとつなのだから。
現在の私のクローゼットです
昔買ったスーツは値段も高く生地もよいけれど、もう着ることはありません。それを管理する場所も時間も本来はコストがかかっています。そう考えると、勿体ないからという理由で持ち続けることこそ勿体ない。リサイクルにだしたりしてすっぱりと処分しました。
クローゼットは私のすべてが詰まっています。実家からもち出した思い出の品は大きな風呂敷つつみ1つ分。もう見ることはないだろうけれど、いつか将来、家族が自分のルーツとして触れてくれたらいいかなと思いまとめてあります。無印良品のコンテナ3つは、3人の子どもたちの幼き頃からの思い出の品が詰まっています。これは、私が実家からもちち出した風呂敷包みと同様に、どうするかは将来子どもたちが決めればいいことです。
【中道あん】
著述家、ブロガー。1963年、大阪府生まれ。26歳で結婚し、2男1女を授かる。家事と育児、お小遣い稼ぎの仕事とママ友ライフを幸せに送るが、やがて子どもの成長とともに自分自身の将来に目を向けるようになり、正社員として働き始める。結婚22年で夫と別居。2019年正社員から「自分らしく生きたい女性のための発信塾」を起業。4歳になるイングリッシュコッカースパニエルと日々の暮らしを楽しんでいる。ブログ「女性の生き方ブログ! 50代を丁寧に生きる、あんさん流
」主宰。著書に『50代、もう一度「ひとり時間」
』(三笠書房)がある