ポスタービジュアル
 - (C) 横浜シネマ・ジャック&ベティ30周年企画映画製作委員会

写真拡大

 横浜のミニシアター、シネマ・ジャック&ベティ30周年企画映画『誰かの花』が、12月18日から横浜ジャック&ベティで先行上映、来年1月29日より全国順次公開される。

 『誰かの花』は、団地のベランダから落ちた植木鉢をめぐり繰り広げられる物語。キャストには映画『ケンとカズ』などのカトウシンスケをはじめ、吉行和子、高橋長英、和田光沙、テイ龍進、篠原篤、村上穂乃佳、太田琉星や、横浜に縁の深い大石吾朗、渡辺梓、寉岡萌希、堀春菜、笠松七海らが集結した。

 今回、ポスタービジュアルと場面写真も公開された。メガホンを取るのは『世界を変えなかった不確かな罪』の奥田裕介。以下のようにコメントしている。(清水一)

奥田裕介(監督・脚本)

映画を撮る上で「ある悲劇が『善意』から始まったら、その先に救いはあるのか」というテーマを持っています。
私が思う「救い」は「言葉にできない感情に置き場所ができる」ことだと思っています。
「赦されるための何か」を探している登場人物たちと一緒に、監督である私も「赦される何か」を探しながら完成させた映画です。

ストーリー

鉄工所で働く孝秋(カトウシンスケ)は、薄れゆく記憶の中で徘徊する父・忠義(高橋長英)とそんな父に振り回される母・マチ(吉行和子)のことが気がかりで、実家の団地を訪れる。しかし忠義は、数年前に死んだ孝秋の兄と区別がつかないのか、彼を見てもただぼんやりと頷くだけであった。
強風吹き荒れるある日、事故が起こる。団地のベランダから落ちた植木鉢が住民に直撃し、救急車やパトカーが駆けつける騒動となったのだ。父の安否を心配して慌てた孝秋であったが、忠義は何事もなかったかのように自宅にいた。だがベランダの窓は開き、忠義の手袋には土が…。一転して父への疑いを募らせていく孝秋。
「誰かの花」をめぐり繰り広げられる偽りと真実の数々。それらが亡き兄の記憶と交差した時、孝秋が見つけたひとつの〈答え〉とは。