ホンダは新型「インテグラ」をなぜ復活させた? 一部デザイン世界初公開! 16年ぶりにアキュラで導入する意味とは
ホンダがアキュラで「インテグラ」を復活させる意味
北米で「インテグラ」の復活が発表された。それもNSXのファイナルモデル「タイプS」の発表と同日と、何とも複雑な気持ちです。
このインテグラ、ホンダではなくホンダのプレミアムブランド「アキュラ」の2022年のラインアップに設定されるといいます。
なぜ、ホンダではなくアキュラなのでしょうか。
それはこのモデルがアキュラの黎明期を支えた重要なモデルだからです。
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アキュラの開業は1986年、実はレクサスやインフィニティに先駆けて展開されました。
当初のラインアップは、ホンダ初の高級車「レジェンド」とコンパクトスポーティの「インテグラ」の2台でした。
インテグラは、日本ではシビックより上級に位置するスポーティなキャラクターが与えられていましたが、北米ではアキュラのエントリーを支える重要なモデルで、その後のアキュラの発展に大きく貢献したモデルなのです。
アキュラが今回の復活を発表した際、インテグラを「伝説的モデル」といった意味は、そこにあります。
その後、アキュラ・インテグラは2/3代目と世代を重ねていきます。
なかでも3代目は丸目4灯のフロントマスクが話題となりました。
日本では不評だったこともあり、マイナーチェンジで普通の顔に変更されるも、北米ではこのマスクが好評でモデルが切り替わるまで継続されました。
ちなみに「タイプR」もラインアップされていました(僅か320台の発売だったことから、現在はプレミア化)。
4代目はネーミングが「RSX」に変更されましたが、基本は日本のインテグラに準じています。
ただし、フラッグシップはタイプRではなく「タイプS」でした。
販売的には好調だったものの、ブランドの上級移行や専売モデルの積極的な展開などから次のモデルは用意されず、2006年に生産終了。
それ以降、コンパクトなアキュラは2012年に登場の「ILX」まで、6年の空白期間が存在。
なお、厳密にいうとアキュラにはインテグラ/RSX以外にコンパクトモデルも存在していました。
ただし、北米ではなくカナダ限定。それが「EL」と「CSX」です。
どちらもホンダ車(EL:2代目ドマーニ/7代目シビックフェリオ、CSX:8代目シビックセダン)をベースに高級仕立てにしたモデルでした。
新型インテグラは、どのようなクルマとして登場するのか
では、新型インテグラはどのようなクルマなのでしょうか。
現時点では詳細は不明ですが、アキュラのブランドオフィサーであるジョン・イケダ氏はこのように語っています。
「インテグラが帰ってきました。デザイン、パフォーマンス、そして総合的なドライビング・エクスペリエンスなど、あらゆる面で精度の高いパフォーマンスを約束します。
オリジナルと同じ『Fun to Drive』の精神とDNAを持って、インテグラがアキュラのラインナップに戻ってくるといえることに、私はとても興奮しています」
復活のアナウンスに合わせて公開されたティザー映像には、右フロントのデザイン一部とエンジンサウンドが収録されています。
ヘッドライトのデザインはTLXに似ているので、ネット界隈では「TLXのクーペ版なのか?」という噂も出ていますが、アキュラ自身が「プレミアムコンパクト」と語っていること。
そしてあの重低音が効いたエンジンサウンドは4気筒(TLXの3リッターV6ツインターボはもう少し甲高い音)などから予想をしていくと、筆者(山本シンヤ)は11代目シビックがベースで、そろそろ世代交代のタイミングが近づいている「ILX」のクーペ版じゃないかなと予想します。
ちなみにアキュラの高性能グレードには「タイプS」の称号が与えられていますが、新型インテグラ タイプSにはシビック・タイプRから譲り受けた2リッター直列4気筒ターボ(K20C)の進化版を搭載という期待もあります。
現行モデルとなる11代目シビックには5代目からラインアップされていたクーペモデルが用意されていませんが、インテグラがそのポジションを引き継ぐのでしょうか。
振り駆るとアキュラRSXが生産終了になった際、そのポジションは「シビック・クーペSi(7代目)」が引き継いでいます。つまり、歴史は繰り返すかもしれません。
新型インテグラ、現時点では日本に導入されるかどうかはまったく解りませんが、NSXやS660の生産終了でホンダスポーツの火が消えかかっている今、導入されることを願いたいと思っています。