国からの新型コロナワクチンの供給量の大幅な減少が見込まれるのを受けて、県内の自治体でも集団接種を縮小したり接種日程を組めないなどの影響が広がっています。

那須塩原市の渡辺美知太郎市長は15日の会見で「はしごを外され後ろから撃たれるようなもの」と国に強い不信感を示しました。

県によりますと 県内に配分されるワクチンの量は市と町が希望する量に対し今後、8月にかけておよそ4割程度しか供給されない見通しになっています。

県内の自治体は早期接種希望者への接種を11月末までに完了するという国の目標に合わせて計画を立ててきましたがここに来ての供給不足に8月の集団接種を縮小したり12歳から59歳の集団接種の日程が組めないなど現場の混乱が続いています。

矢板市が基礎疾患がある市民の集団接種を見送っていることを明らかにしたほか、26日からの接種開始を予定していた宇都宮大学も接種計画をいったんとりやめるなど波紋が広がっています。

渡辺市長によりますと那須塩原市の8月頭の希望量は1万4千回分であるのに対し実際供給されるのはその6割程度。

早期接種を希望する64歳以下の市民に対して「9月末までに完了する」としていた目標を断念せざるを得ないとの考えを明らかにしました。

那須塩原市では当面、医療機関での個別接種を行わず2つの集団接種会場や菅間記念病院での接種を行うほか供給状態が改善するまで3カ月分の在庫量を調整し8月から9月にかけて重点的に接種を進める方針ですが、試算では9月末の在庫が100回分を切る可能性があるということです。