球団史上最低勝率に終わったソフトバンクの交流戦 大苦戦の原因はどこに?
2012年の.381を下回る勝率.357で交流戦を終えたソフトバンク
■ヤクルト 6ー4 ソフトバンク(13日・PayPayドーム)
ソフトバンクは13日、本拠地PayPayドームで行われたヤクルト戦に4-6で敗れて同一カード3連敗を喫した。これで交流戦を5勝9敗4分けの勝率.357で終えることになり、2012年の.381(8勝13敗3分け)を下回る交流戦の球団史上最低勝率となった。
先発の和田が初回にいきなり3連打を浴びて先制点を献上。4回には村上に両リーグ20号1番乗りとなる2ランを浴び、5回には山田に2試合連発となる2ランを被弾。5回途中6失点でノックアウトされた。
打線は今季初先発だったヤクルト高橋の前に手も足も出ず。5回にバレンティンが通算300号と1000安打、12球団本塁打をトリプル達成する3号ソロを放ち、7回にも2打席連発の2ラン、8回には川島がソロを打ったものの、結果的には4安打だけ。9回には先頭の中村晃が四球で出塁したが、代打・明石がニゴロ併殺に倒れて反撃ムードは萎んだ。
投手陣は12球団トップのチーム防御率3.04を残したが…
通算8度の優勝を誇る“交流戦巧者”のソフトバンクが、まさかの大苦戦を強いられた今季。試合後、工藤公康監督は「最終的には監督がダメだったから勝てなかった。選手は一生懸命やっています。一生懸命やった中で打たれたり、エラーしたり、というところだと思う。交流戦に強い強いと言われていましたけど、うまくいかない時はあると思います」と責任を背負い込んだ。
ソフトバンクはなぜ今年、ここまで苦戦を強いられることになったのだろうか。最大の敗因は、打線の不振だろう。交流戦中の投手陣は12球団トップのチーム防御率3.04をマーク。13日の最終戦を迎えるまでは、12球団で唯一、2点台を維持していた。
確かにモイネロ、森を欠いたリリーフ陣で失点するケースもあったが、投手陣全体としては称賛に値する数字だ。特にマルティネスや石川、武田を中心とした先発陣が奮闘。3失点以内が10試合、5失点以内は16試合。6点以上の大量点を失ったのは6月4日の阪神戦と13日のヤクルト戦しかない。これだけの結果を残した投手陣は責められない。
交流戦打率3割超えは0人、チームトップの栗原は.269で12球団で43位
かたや、打線は苦戦した。交流戦前の段階ではパ・リーグトップのチーム打率を残していたが、交流戦に入ると主力打者を中心に軒並み調子が下降線を描いた。チーム打率.233は日本ハムに続く12球団でブービー。交流戦の規定打席到達者の中で、打率3割を超えている選手は12球団では30人いるが、その中にソフトバンクの打者いない。
ソフトバンクの中で交流戦打率チームトップは栗原陵矢捕手の.269でこれは12球団で43位。これに次ぐのが今宮健太内野手の.231で、主砲の柳田悠岐外野手が.227、中村晃外野手が.224、松田宣浩内野手が.220、甲斐拓也捕手が.203となる。中軸の打者が軒並み不調に陥っており、これが苦戦の最大の原因となった。
特に最後のホーム6連戦では、首脳陣の選手起用もハマらず、チグハグな攻撃が続いた。交流戦18試合で2桁安打はわずか3試合だけ。最後の6試合は6、8、5、7、7、4安打と特に低調だった。
ペナントレースが再開となる18日の日本ハム戦まで、4日間の期間が空く。工藤監督は「このまま、ではなく、ズルズルいかないためにも、この4日間をうまく使って準備してほしい。切り替えるのが大事だと思います」と切り替えの重要性を強調する。調整期間を経て、チームとして復調の兆しを掴みたいところだ。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)