2021年5月6日に、Twitterは投げ銭機能「Tip Jar」を一部のユーザーに対して提供開始しました。このTip Jarを用いてチップを送金した結果、送金相手に本名や住所が伝わってしまう事態が発生しています。

Twitter Tip Jar PayPal integration exposes addresses, emails - Protocol - The people, power and politics of tech

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Twitterは、Bandcamp・Cash App・Patreon・PayPal・Venmoなどの送金サービスと連携してお気に入りのユーザーにチップを送金できる投げ銭機能「Tip Jar」を、2021年5月6日から一部のユーザーに対して提供しています。

Twitterがお気に入りのユーザーにお金を払える投げ銭機能「Tip Jar」をテスト実装中 - GIGAZINE



送金サービスを介して手軽に投げ銭できるTip Jarですが、セキュリティ企業SocialProof SecurityでCEOを務めるレイチェル・トバク氏は「PayPalを介してチップを送金する場合、チップを受け取ったユーザーが取引の明細から送金者の住所を確認することが可能です」と報告しています。





トバク氏がTwitterに投稿した「チップを受け取った人が確認できる明細書」はこんな感じ。画面上部には送金者の本名が記され、中央部の「配送先(Ship to)」には送金者の住所が記されています。トバク氏は、この問題はTwitterではなくPayPalの仕様によるものだと指摘しています。



PayPalの広報担当者であるトム・ハンター氏によると、PayPalには「商品やサービスに対する商用支払い」と「友達や家族への個人間の支払い」の2種類の送金方法が存在し、「商品やサービスに対する商用支払い」を選択した場合、送金者がPayPalに登録した氏名や住所が送金相手に伝えられるとのこと。このため、送金時に「友達や家族への個人間の支払い」を選択することで、本名や住所を明かすことなくチップを送ることが可能になります。



なお、Twitterは「送金サービスの設定によって、送金相手に個人情報が共有される可能性がある」ということを周知するために、Tip Jarの更新に取り掛かっています。





◆おまけ

投げ銭機能として注目を集めるTip Jarですが、Tip Jarの操作画面からは、お金の支払いを要求することも可能とのこと。





Twitterユーザーのロバート・マーティン氏が投稿したTip Jarの操作画面のスクリーンショットを確認すると、画面下部の「支払い(Pay)」ボタンの横に「要求(Request)」ボタンが配置されていることが分かります。



テクノロジー関連メディアのSocialMediaTodayは、ユーザーが「支払い」と「要求」を選択できることを利用して、「ユーザーをだまして、お金を支払わせようと試みる人が続出している」と指摘し、「Twitterはこの問題を解決するべきです」と主張しています。