(左から)主演の北村匠海、原作者のカツセマサヒコ

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 Apple Books の2020年ベスト新人作家に選出されたカツセマサヒコの大ヒット青春恋愛小説「明け方の若者たち」が映画化され、俳優の北村匠海が主演を務めることが明らかになった。

 Twitterでの妄想ツイートが話題を呼び、フォロワー数14万以上にのぼるカツセの長編小説デビュー作にあたる同作は、明大前で開かれた退屈な飲み会で出会った“彼女”に恋に落ちた“僕”の人生最大の恋と、夢見た未来とは違い、何者にもなれないまま大人になっていく人生への葛藤を描く20代の青春物語。安達祐実、村山由佳、尾崎世界観、今泉力哉といった著名人や書店員から推薦の声が集まり、長編小説デビュー作にしてベストセラーとなった。

 映画では『君の膵臓をたべたい』で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞に輝き、放送中の「にじいろカルテ」をはじめとするドラマ・映画で活躍中の北村が、主人公の“僕”役で主演を担う。劇中の街や音楽は、偶然にも北村自身の青春と重なったそうで、「もうニ度と帰ってこない人生のマジックアワーをまた味わえたような、切なくてじんわりあったかくて、笑ってるのか泣いてるのかよくわからないあの頃を、皆さんも思い出せるかもしれません。お楽しみに」とコメントしている。

 メガホンを取るのは、23歳の新鋭・松本花奈監督。実写版『ホリミヤ』などを手掛けた松本監督だが、北村とかつて共演した経験があるそうで、北村は「松本監督とは10年前、共演者として学園ドラマで出会い、そして今お互いの道を進んでやっと再会できました」と語っている。脚本は『デイアンドナイト』の小寺和久が手掛ける。

 原作者のカツセは「初めて書いた小説が、発売して一年も経たないうちに映画化発表されて、しかも、その主演が北村匠海さん? どこからがドッキリですか。まだ実感が沸かず、フワフワとした気持ちでいます」と映画化決定への驚きを明かしつつ、「小説を子供とするならば、映画は可愛い甥っ子といったところでしょうか。松本監督と素晴らしいキャスト・スタッフ陣に全て委ねて、温かく見守ろうと思っています。本当に楽しみです!」と期待を寄せた。(編集部・吉田唯)