アステカ時代の「頭蓋骨の塔」から119体の人骨発掘 メキシコ

【AFP=時事】メキシコの考古学者らは11日、首都メキシコ市中心部で、数百年前のアステカ(Aztec)時代の遺物「頭蓋骨の塔」から女性や子どもを含む119体の人骨を新たに発掘したと明らかにした。
発掘されたのは、「頭蓋骨の塔」を意味する建造物「フエイ・ツォンパントリ(Huei Tzompantli)」の東側。頭蓋骨の多くが拘束された敵の戦士らのもので、この塔はアステカ帝国の敵に対する警告として建てられたと考古学者らはみている。
メキシコ国立人類学歴史学研究所(INAH)は専門家らの話として、遺骨の一部は神々を鎮める儀式のいけにえとして殺された人々のものである可能性があると発表。
考古学者のバレーラ・ロドリゲス(Barrera Rodriguez)氏は、「このうち何人が戦士だったかを判断することはできないが、いけにえの儀式のために捕らえられた人々もいるかもしれない」と述べた。
15世紀の終わり頃に建てられたとみられている直径4.7メートルの頭蓋骨の塔は、アステカの首都テノチティトラン(Tenochtitlan)にある主要な神殿の一つがあったテンプロ・マヨール(Templo Mayor)地区に位置する。この場所は、今日のメキシコ市の歴史地区に当たる。
同地域ではこれまでに600以上の頭蓋骨が発掘されており、メキシコ当局はここ数年における同国で最も重要な考古学的発見の一つに挙げられると評している。
【翻訳編集】AFPBB News
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