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男性器の包茎手術をめぐり、東京上野クリニックの系列医院で手術を受けた男性が、医師を相手取って、東京地裁に起こしていた訴訟で12月8日、和解が成立した。医師が解決金などを払う。

男性は、術前の説明が不十分だったため、効果や必要性を誤解し、オプションの施術を含めて約240万円の契約をすることになったなどと訴えていた。すでに約140万円を支払っていた。

包茎手術をめぐっては、手術ミスや術後の痛みのほか、高額な自由診療や即日施術を強く迫られるなどの報告が相次いでいるとして、国民生活センターが2016年に注意喚起したこともあった。

●「施術前に十分な説明を行う」

原告側の代理人によると、男性は2015年に包茎手術を受けようと医院を訪れ、スタッフからヒアルロン酸の注入やフォアダイスと呼ばれるできものの焼灼術を勧められた。

しかし、ヒアルロン酸注入の効果が一時的であることや壊死の可能性があること、またフォアダイスには生命・健康への害がなく、施術により痕が残る可能性があることなどの説明がなかった。

医師との和解条項には、「(効果や必要性、危険性、健康保険適用の有無について)施術前に十分な説明を行う」「(別の施術を勧める際には)熟慮期間を設けるよう努める」「施術当日ディスカウントする等の方法により施術を誘導しないことを約する」などが盛り込まれた。解決金は非公表。医師は現在、同クリニックの別の医院にいる。

原告側の代理人は「営利主義的な包茎手術や付随する“トッピング術”に警鐘をならし、抑止する内容」と話した。

一方、被告側の代理人は「事実について、お互いに主張はあるが、和解なので譲りあって解決したということ」とコメント。また、東京上野クリニックとしてではなく、あくまで個人医の問題であるとした。

【修正:2020年12月9日】

男性の包茎が保険適用の対象になるかについては、認定されないまま和解となったため該当部分を改めました。