手島千尋アナウンサーがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。10月17日(土)の放送では、気象庁 アジア太平洋気象防災センター予報官の笠原真吾さんに、台風接近時に注意すべき“竜巻”について伺いました。


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台風が近づいているときに注意してもらいたい“竜巻”について、笠原さんはこう指摘します。

「暴風域のなかでも竜巻は発生するのですが、暴風域の外側のちょっと離れたところでも、台風に伴って竜巻が発生することがあります。台風の外側に、台風から湿った空気が南側から流れ込んできて、発達した積乱雲が発生しやすい環境場になりやすいんです。このため、竜巻や雷などの激しい現象に注意が必要です」

たとえば、去年の台風19号が接近したとき、千葉県市原市で竜巻が発生し、住宅などおよそ90棟に被害が出ました。台風15号の復旧中に、台風19号が接近、そこに竜巻……と度重なる災害に見舞われ、いまでも被害の光景は忘れられません。

ものの数分で大きな被害をもたらす竜巻。日本で起きる竜巻のほとんどは、地上近くで風が回転しているところに、上昇気流が重なって発生すると考えられています。

日本では過去に、台風に伴う竜巻でたびたび被害が発生していますが、発生に至るまでの詳細なメカニズムはわかっていませんでした。

そうしたなか、去年の台風19号の際の竜巻を、気象庁の気象研究所が最新のレーダーで詳細を解析したところ、上空の大気の渦に地上からの小さな渦が結びついて発達していたことがわかりました。この解析は世界で初めてだということです。

気象研究所は、今後の防災情報に役立てたいと話しています。

台風からの竜巻への防災対策が進むことを期待しつつ、竜巻から自分の身を守るためにも“竜巻が起きた際の避難方法”を確認しておきましょう。

◆竜巻発生時に街中にいる場合
なるべく頑丈な建物に入り、窓から離れるようにしましょう。できるだけ1階にとどまるようにしてください。

プレハブの建物や樹木、電柱などは、突風にあおられて倒れる可能性があるので、近づかないようにしましょう。

◆車を運転しているとき
交通の邪魔にならない場所に車を止めて、頑丈な建物に避難してください。

そして、竜巻発生機能があるアプリや気象庁が発表する「竜巻注意情報」でチェックしたり、激しい突風が発生したときに「竜巻発生確度ナウキャスト」を活用すれば、竜巻の防災に役立てることができます。

台風シーズンは、突風や大雨だけでなく“竜巻にも注意が必要”だということも覚えておいてくださいね。

最後に、笠原さんは「伊豆諸島とか小笠原諸島は、12月ごろまで接近する可能性があります。島を除く関東のほうは、10月ごろまでが主な接近の時期になりますので、11月以降は台風が接近してくることはほとんどないと思います」と注意を呼びかけていました。

<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25〜8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/