「心の病」を告白したバッバ・ワトソン(撮影:GettyImages)

写真拡大

12、14年のマスターズチャンピオン(41歳)がZOZOチャンピオンシップで4位、その前週のCJカップでも7位と復調を見せている。6月のツアー再開以降は初戦のチャールズシュワブ・チャレンジは7位だったが、トラベラーズ選手権から3大会連続の予選落ち、最終戦のツアー選手権の出場も逃した。
年間2勝を挙げたバッバ・ワトソンの豪快ドライバーショット【連続写真】
最後の勝利は18年のトラベラーズ選手権、2年間勝利できず元世界ランキング2位、今年序盤には65位まで降下した。
1年半程前には体重が15キロ以上も激減し周囲を驚かせたが、「気持ちが不安で…頭の中はずっと雑音だらけ。もう心臓発作で死んでしまうのではないと思った」というほど、苦しい時期を過ごしていたことを告白、米ゴルフウィーク誌など複数のメディアが伝えている。
「色々なことが不安で…ゴルフのこと、家族のこと…飛行機に乗ることも怖くなり、人々に囲まれること、スポットライトを浴びること、今はコロナウイルスも心配でならない」という。セレブで居ることも大きなプレッシャーとなり、「メディアが何て書いているのか、ソーシャルメディアのことも気になって仕方なかった」と苦しい胸中を吐露した。そして多くの人に助けを求めた。ドクターにも掛かった。「なんとしてもこれを乗り越えたかった」とバッバ。そんな中でCBDオイルのハーブ剤がうまく作用した。呼吸専門のコーチをつけてトレーニングも行った。ようやく少し落ち着きを取り戻したという。
ワトソンは妻のアンジーと二人の養子を迎えて暮らしている。「彼らの助けは大きかった」と家族の支えに感謝したが、一方で「彼らのことを考えると余計に不安にもなった」と話す。
まだまだ100%ではないとしながらも「ようやく違った方法でストレスをハンドルできるようになってきた。たぶん、もっともひどいところは脱出できたような気がする」と明るく話せるようになった。告白した理由は、自分の経験が同じように苦しむ人の少しでも助けになるならと。バッバは敬虔なクリスチャンでもある。
マスターズ開幕まであと2週間、「今はバランスを取ることが大事だと思っている。今の気分はとてもハイ、前向きだ」。3枚目のグリーンジャケットにも意欲を見せたバッバに期待。(文・武川玲子=米国在住)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

■バッバ・ワトソンのプロフィール&成績
■あらためて語った米ツアーへの思い 渋野日向子「私ひとりでは戦えない」
■今週から観客動員のPGAツアー 選手からは不安の声も…
■秋のマスターズ、これまでとの変更点は? パー3コンテストは中止
■安田祐香が19年Vの「アジアパシフィック女子アマ」 延期を経て来年9月開催へ