「飲水タイム以降の60分間は我々のペースだった」と語る城福監督。写真:徳原隆元

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[J1リーグ32節]広島3ー1横浜/10月28日(水)/エディオンスタジアム広島

 立ち上がりから昨季王者の横浜の猛攻に晒された。23分には前田大然とジュニオール・サントスに続けてシュートを浴びるが、佐々木翔が身体を張ってこれを防ぐと、33分に待望の先制点を挙げる。浅野雄也からのクロスボールにレアンドロ・ペレイラが頭で合わせてネットを揺らした。

 L・ペレイラは試合後のフラッシュインタビューで、「ユウヤから本当に素晴らしいクロスが入ってきて、自分は頭で触るだけだったのですが、おかげさまで得点することが出来ました。

 本当にマリノスさんは素晴らしい選手が揃ったチームなので、そこの強い部分をしっかりと消して、自分たちでやるべきことを耐えて、耐え抜いてああいう形でゴールを決められてよかったと思います」と喜びを語る。
 
 ボール支配率は34パーセント、パス本数は291本に対して横浜は783本と圧倒的に横浜に押し込まれる展開だった。

 しかし試合後に城福浩監督はこう語る。

「最初少し押し込まれる時間はありましたけども、前半の途中から守備の修正もできて、相手に入り込ませることなく自分たちの時間を作れた」

 パスをつないで押し込んでくる横浜の攻撃力は織り込み済み。さらに指揮官は、試合中の選手たちの対応力を称える。「自分たちがどこまでボールに食いついていくか、あるいはゴール前で我慢するか。そこの我々が縦ズレと横ズレでしっかりとボールを奪いに行く時と、ブロックを作る時のメリハリが飲水タイムくらいで修正・確認できたので、そこから先はそんなに危ないシーンはなかったと思う。そこまでに失点が0だったのはラッキーな部分もあったと思います」

 1点を先行してからはスピードもある横浜の両翼に効果的なパスも通させず、攻め込まれながらも、守備から徐々にペースを掴んでいたという。

 オウンゴールという形だったが62分に追加点を挙げ、90分にはPKから永井龍に移籍後初ゴールも生まれる。最後にPKによる失点を喫したが実りの多いゲームとなった。

 城福監督は「我々は試合数が少ないチームなので、これからほかのチームが試合の無いなかでやっていきます。この勝利で勢いをつけていければ」と残り10試合での巻き返しに意気込みを見せた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部