「ペ・ヨンジュンで『愛の群像』を観て。彼の初期ってすごくいいんだ。(中略)ラストシーンがものすごくよかった。相手役のキム・ヘスが抜群。まるで僕が書いた『Woman〜Wの悲劇より〜』なんだ、薬師丸ひろ子の。あの歌の世界をそのまま映像化してくれた感じがして」

 韓流ドラマについてこう熱を込めて語るのは、今年、作詞家生活50周年を迎えた松本隆。


松本隆(撮影:辛島いづみ)

 1970年、20歳のときに細野晴臣、大瀧詠一、鈴木茂とともに伝説のバンド『はっぴいえんど』を結成し、ドラムスと作詞を担当。「日本語のロック」を作り出すことに成功すると、解散後は作詞家に専念。太田裕美「木綿のハンカチーフ」(1975)、大瀧詠一「君は天然色」(1981)、寺尾聰「ルビーの指環」(1981)、松田聖子「赤いスイートピー」(1982)、斉藤由貴「初戀」(1985)、KinKi Kids「硝子の少年」(1997)など、日本の音楽史に残る名曲を数多く生み出してきた。

 そんな松本が20年以上、韓流ドラマを好んで観てきたという事実はあまり知られていない。十数年前にツイッターで断続的に呟いていたことはあるものの、これまでまとまった話をすることはなかった。

 本日9月24日発売の『週刊文春WOMAN』2020秋号では、「松本隆 ずっと韓流ドラマが好きだった」を5ページにわたって掲載。「冬のソナタ」以前から現在にいたるまでの約20年間にわたる韓流鑑賞歴と、松本流の韓流ドラマ論をロングインタビューしている。

 現在の第三次韓流ブームをリードするドラマ作品といえば「愛の不時着」と「梨泰院クラス」だが、松本が「それどころじゃない」「観ないと人生の損」と激賞するドラマシリーズがある。2012年から15年までに「応答せよ1997」「応答せよ1994」「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」という3部作が作られた「応答せよ」シリーズだ。

「場所も時系列も合わせて、シリーズを立体的に連結する。そういう仕掛けの脚本は今まで観たことがない。(中略)とにかく観るべき。今の日本人が失ってしまったいちばん大事なものが、ギュウギュウ詰めに入った宝石箱みたいなものだから。家族、兄弟、横町の路地。その風景を見ると、これもまた自分に置き換えてしまうけれど、『ああ、風街じゃん』と思ってしまうんだ」

 自身の作品世界との比較で語られるその韓流ドラマ論は、松本隆研究という点からも興味深い。インタビューではほかに「木の葉のスケッチ」「木綿のハンカチーフ」「スニーカーぶる〜す」「ルビーの指環」「瑠璃色の地球」などにも言及している。

『週刊文春WOMAN』2020秋号では、ほかにも主演映画『ペニンシュラ(原題)』(来年1月日本公開予定)がアジア各国で大ヒット中のカン・ドンウォンのロングインタビュー、「応答せよ」シリーズの脚本家が放送作家として参加するバラエティ番組など、韓流最新情報を紹介するワイド記事「韓流は通になるほど面白い!」と、計13ページにわたって韓流エンタメを特集している。

(「週刊文春WOMAN」編集部/週刊文春WOMAN 2020 秋号)