ミツバチ(2020年5月21日撮影、資料写真)。(c)DANIEL LEAL-OLIVAS / AFP

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【AFP=時事】携帯電話の発する電磁放射線が、近年欧州で昆虫の個体数が激減した一因になった可能性があるとする査読前の研究結果が17日、発表された。

 研究はドイツの自然・生物多様性保護連盟(Nature and Biodiversity Conservation Union、NABU)が、同国とルクセンブルクの計二つのNGOと共同で実施したもので、独シュツットガルト(Stuttgart)で発表された。

 これによると、殺虫剤の使用と生息地の喪失に加え、電磁放射線への暴露の増加が「昆虫界にマイナスの影響を及ぼす可能性がある」。

 対象となった190の研究のうち、科学的に関連があるとされた研究は83件あり、うち72件で電磁放射線がミツバチとスズメバチ、ハエに負の影響を及ぼしていることが示された。具体的な影響には、磁場の妨害による移動能力の低下や、遺伝物質と幼虫の損傷などが含まれている。

 特に携帯電話とWi-Fiの電磁放射線は、特定の細胞のカルシウムチャネルを開くためカルシウムイオンが多く吸収される。これにより、昆虫の体内で生化学的な連鎖反応が起こり、概日リズムと免疫系が阻害されるという。

 NABUの独バーデン・ビュルテンベルク(Baden-Wuerttemberg)州代表を務めるヨハネス・エンスレ(Johannes Enssle)氏は、「今回の研究は、昆虫が激減した原因を分析する際には、さまざまな要因をみなければいけないということを示している」と述べた。

 さらに「今回の研究の主題は私たちの多くにとって気づまりなものだろう。なぜなら、私たちの日常の習慣に干渉するものであり、モバイルコミュニケーション技術の裏には強力な経済的利益が存在するからだ」と語った。

【翻訳編集】AFPBB News

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