このコロナ禍で、美容室に行くのにも後ろめたさが残る今日この頃。そもそも毎日暑すぎて、マスクして外出なんて本当にしたくないですね。

【画像】短時間で終えるための1000円カットならではのツール

 皆さんは1000円カットを利用したことはありますか? 街で見かける1000円カットのお店は見た目が床屋さんなので、男性の方が利用しやすく、「息子は1000円で充分」と足を向ける方も多いのではないでしょうか。

 駅近にあり、予約も不要、その手軽さは美容界でも群を抜いています。

 そして、利用してみて失敗した方も多いのではないでしょうか。また「1000円ならこんなもんか」と妥協してる方もいるのではないでしょうか。

 ではどうして1000円カットでは満足できないのかについて、説明します。


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なぜ1000円で出来る?

 今日、美容室は様々な価格帯のお店が存在しますが、美容界では10分に対して1000円で換算するのが定石です。もちろん地域やテナントの家賃、お店のブランディングなどによって大きく変化します。

 1000円カットの場合「通常30〜50分かけるカットを10分で終える」というのが前提で運営されています。そのため美容室・理容室が当たり前にする、あらゆる工程を排除した形で運営するスタイルを確立しています。1000円カットにはカット以外のメニューはありません。シャンプーも、ブローも、髭剃りもありません。

 また、薬剤を扱うこともありません。薬剤を効かせるには時間が必要なため、お客様の滞在時間が延びてしまいます。そもそも材料費や、薬を常備する場所代も高くつくため、カラーやパーマはしないのです。

 シャンプーをすることもありません。テナントにシャンプー台を設置するには設営の初期費用がかかる上、濡らした後に乾かすドライヤーの時間がかかってしまいます。なので、必ず乾いたままの髪を切り、切った髪は専用の吸引機で掃除機のように吸い取る、という非常に合理的なスタイルを用いています。

 これだけ割り切った形を取ることで、通常の美容室・理容室に必要な設営の初期費用、月々の水道光熱費(水も電気もガスも相当な額になります)そして材料費等を抑え、ほぼ人件費とテナントの家賃だけで運営できているのです。

美容室版牛丼チェーンのスタイル

 1000円カットの運営は一人当たりの単価が低いので、お客様の数を増やして売り上げることになります。10分以上の時間をお客様に費やしても、お店の利益には繋がりません。

 牛丼チェーンのスタイルが分かりやすいかもしれません。ワンコインで注文して、直ぐに牛丼が出てきて、チャチャっと食べて、お店には30分も居ない。

 一人一人の滞在時間が短く、次から次にお客様が来て、出すメニューも限定している。これは早い!安い!美味い!の美容室版であるとも言えます。

 もちろんヘアスタイルは牛丼のように画一的ではありませんが、地域や性別、年齢層によって、ある程度パターン化できるものです。

 ですがこういったスタイルで働く美容師は、利益を得るために時間内の仕事に注力する事になりやすく、とにかく機械的にこなすやり方になりがちです。担当する美容師によっては、ホスピタリティを欠いてしまうかもしれません。

 美容師目線で言うと、時間を制限された中で仕事をするので、最大限のパフォーマンスを発揮できない場合があります。

1000円カットは技術の差を露呈する

 10分で1人のお客様を終えるのは、簡単ではありません。10分にはカウンセリング(相談)からスタイリング(仕上げ)まで含まれます。美容師的には、せかせか急いでやっとできる時間だと言えます。

 すると、担当した美容師の技術レベルには雲泥の差が出てしまいます。

 1000円カットにいる美容師・理容師は、別の店でスタイリストとしての経験がある方が勤めていることが多いです。それぞれ勤めた美容室・理容室で修行を積み「スタイリスト」になるわけですが、「スタイリスト」はお店ごとの認定であって、検定などで統一された基準はありません。仮に習ったお店の技術レベルが低ければ、覚えた技術レベルも高いとは言えません。

 ちなみに美容師免許は国家資格ですが、これもまた技術レベルの検定とは全く違うため、免許を持っていれば上手に切れる、とはいきません。

 例外として、転職などの繋ぎのために短期で勤めている方もいます。たまたま上手な美容師さんに当たる可能性もありますが、上手な美容師さんは、別のお店で働けば自分の技術に付加価値をつけることができるので、あまり1000円カットには長く勤めてはいないと思います。

 なので、1000円カットでカッコいい、最新トレンドヘアにしてもらうのは難しいです。

1000円カットを上手く使う方法

 1000円カットは駅近、駅ナカなど好立地に構えているので、思い立ったタイミングで利用できるメリットがあります。

 まず上手く使う方法として、事前にスマホなどで「こんな感じ」の写真を用意して見せることが重要です。ただし前述した理由を踏まえて、難しいオーダーはしないことをオススメします。

 例えば、ポイントでカットしてもらうのオススメです。「ココがちょっと重たいな」「ココだけもうちょっと切りたい」と、気になった時にすぐ切ってもらえるので便利です。

 同じように、伸びてきた刈り上げやツーブロック部分だけ、前髪だけなど、切る場所を限定すると美容師側の10分の使い方が大きく変わります。

 ライフスタイルの変化に伴って、今後、利用する美容室や使い方も変わっていくかもしれません。多くの美容室には「予約」や「滞在時間」など手間がかかります。

 店構えから女性は入りにくいかもしれないですが、その時その時でお客様にとって都合のいい選択をすれば、より快適な毎日が過ごせるかもしれませんね。

(操作イトウ)