立憲民主党の枝野幸男代表。欅坂46の改名と党名問題を関連付けた質問に吹きだす一幕があった

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新党の党名が最大のネックになっている立憲民主党と国民民主党の合流協議をめぐり、立憲の枝野幸男代表が2020年8月4日の定例会見で、記者からの「変化球」に思わず吹き出す場面があった。

欅坂46の代表曲のひとつ「不協和音」をレパートリーにしている枝野氏。その欅坂46は、20年10月に活動を休止し、改名して再スタートすることを決めている。そこで出たのが「欅坂のように改名して局面を打開するというような考えは」という質問。枝野氏は「つなげられると、なかなか答えにくいんですけど...」と苦笑いしながら、欅坂46のあり方についてのみ論評した。

欅坂46と党名問題「切り離してであればいくらでも喋れるんですが...」

立憲は、立憲、国民の両党を解党した上で、新政党を結成することを提案。新党の党名を「立憲民主党」、通称・略称は「民主党」にすることを求めている。一方の国民側は「民主的な手続き」で党名を決めることを求めており、党名が最大の焦点になっている。

枝野氏はこの日の記者会見で、合流協議のスケジュール感や、国民側の主張に対する見解を問われて

「幹事長が今、代表選手として交渉しているど真ん中なので、コメントは避けたい」

などと事実上のノーコメントを繰り返した。

ただ、欅坂46と絡めた質問には、困惑の色を見せた。質問は、欅坂46の改名についての所感を聞いた上で、「欅坂のように改名して局面を打開するというような考え」がないかを聞く内容。

枝野氏は

「つなげられると、なかなか答えにくいんですけど...。全然、切り離してであればいくらでも喋れるんですが...間違いなくつなげられるので、なかなかお答えをしにくいんですが...」

など前置きしながら、欅坂46についてのみ論評した。

「まぁあの、むしろですね、あのー。平手(友梨奈)さんという絶対的なエースが卒業...と言わなかったね、脱退だったかな、をされて、その後の展開をいろいろ模索をされているんだろうなと(思う)。私は欅坂は、歌詞を中心にして良い曲を続けて出されているので、その本質は変わってほしくないなぁ、と思っています」

なお、この日の会見では、枝野氏の冒頭発言の途中に着信音が鳴り、枝野氏が「ごめんなさい」と音を止める場面があった。着メロにしていたのは、乃木坂46の「夜明けまで強がらなくてもいい」(2019年発売)。サビの「光はどこにある?」の部分が一瞬だけ会見場に流れた。

玉木氏の「直談判」要求も...

今後の合流協議は、協議の進め方そのものも議論の対象になりそうだ。この日、枝野氏の会見は13時45分に始まり、国民民主党の玉木雄一郎代表の会見は14時にスタート。ほぼ同じ時間帯に行われた。玉木氏は、幹事長間の協議が「膠着しているのも事実」だとして、

「そろそろ党首間で、しっかりと直接協議をすることが必要ではないか」

として、枝野氏に党首会談を呼びかける考えを示した。玉木氏は「内々に、幹事長から、先方の幹事長に伝わっていると理解している」とも話し、幹事長レベルで非公式に打診していることも明かした。

一方の枝野氏は、党首会談を開いて玉木氏を直接説得する可能性について「現状はありません、幹事長にお任せしています」と否定。

「幹事長でまとまらないものを、それ以外のところで話をしてもまとまるとは思っていない」

とも述べた。

記者からの質問で枝野氏の発言を知った玉木氏は、

「ナンバー2どうしに与えられた権限、判断の範囲と、トップが決めるべき権限と範囲は、自ずと違うと思う。最後は、どういう結論になるにせよ、代表同士が腹を割って話し合って『こういう形で野党のあり方を作っていきましょう』、あるいは、こういう政策で一致させて、今の安倍政権・自民党政権に向き合っていきましょうという議論をすることは、大変意味のあることだと、私は考える」

などと反論した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)