「半沢直樹」いよいよ放送スタート 堺雅人「ぶつかる力を弱めるという選択肢は我々にはありません」
新型コロナウイルスの影響で撮影・放送が中断していたTBS系日曜劇場『半沢直樹』がいよいよ7月19日よりスタートする。第1話の放送を1週間後に控えた今日12日に、制作発表会見がオンライン上で行われ、主演の堺雅人、上戸彩、及川光博、片岡愛之助、今田美桜、井川遥、尾上松也、市川猿之助、北大路欣也、香川照之が出席した。会見の模様をお届けする。
ようやく半沢直樹が帰ってまいりました(堺)
まずは出演者の皆さんから、あいさつをお願いします。
上戸彩(半沢 花役) 半沢花役の上戸彩です。皆さんと一緒に観させていただいたんですが、まぁ〜面白かったです。いちファンとして、早く多くの方に観ていただきたいなって思っています。皆さん、ぜひ楽しみにしていてください。
及川光博(渡真利忍役) 裏切りそうで裏切らない、渡真利忍役の及川光博です。
片岡愛之助(黒崎駿一役) お姉に磨きをかけて頑張っています。よろしくね。
今田美桜(今村 瞳役) 緊張感たっぷりのドラマに出させていただいて、幸せです。よろしくお願いします。
井川遥 (女将・智美役) 今回から参加しているんですけど、現場や本を読んでいてもわからなかったことが、今日1話を観て詰まっていて、面白かったです。悪い顔がいっぱいですが、半沢さんには信念を持って、不正を暴いていってほしいと私も楽しみにしています。
尾上松也(瀬名洋介役) 改めて、半沢直樹の世界に自分が入っているということが非常にありがたかったです。個性の強い方々が集まっていますので、充分楽しんでいただけると確信しました。
市川猿之助(伊佐山泰二役) 原作の面白さがスタッフの力を経て立体化され、血が流れ、熱を持ち、そして映画のような仕上がりになり、興奮し、これはきっと皆様の心を捉える作品であろうと確信しています。どうか皆様、ひとりでも多くの方に視聴していただきたいと思っています。
北大路欽也(中野渡 謙役) 第一話、皆さんと一緒に拝見しました。素晴らしい作品で、一人ひとりの情熱というか思いというか、魂の響きをもろに受けました。私としてはまだまだこの先、どういう舵取りになるのか不安も期待もありますが、中野渡として、力強く、一生懸命努めたいと思います。
香川照之(大和田 暁役) 試写を観て、半沢直樹という一人の人物のキャラクターだけで連続ドラマ分全部を背負っていける強さと濃さと信念、まっすぐさがあるんだなということを再認識しました。どれくらい年月が経っても、堺雅人さんの立ち振る舞いをまた見られたことが嬉しかったですし、半沢直樹に戻ってこれたことにほっとしていますし、感謝しています。ここから約3ヶ月になるんでしょうか、気を引き締めて、最後まで、良い結果が出せるようにやらなければならないと改めて思った次第です。本当に皆さん、引き続き半沢直樹を支えていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
7月19日にいよいよ1話が放送スタート
撮影の中断があり、来週ようやく第一話の放送になりますが、そこにたどりついた今の気持ちは?
堺雅人 撮影の中断がありましたから、感慨もひとしおですね。1作目と2作目の間を中断と考えれば、2回中断があった形になりますので。それでも、半沢直樹はまだ死んでなかったんだ、まだ脈があったんだ、まだ力強く心臓が動いているんだってことを今日確信しましたね。みんなで作っているものなので、生き物としてようやく動き出した感じがします。ほっとしました。
香川照之 脚本で、この役者さんとこの役者さんは本来会わないけど、会わせたいから一緒のシーンを書いちゃおうということがありますが、今日皆さんと顔を合わせて、一緒のシーンを書かなくていいなと。みんな集まりすぎると濃すぎて、とっ散らかるなと。ちょうど良い配分で脚本を書かれているなと確信したくらい、みんなが集まると濃すぎるという(笑)。
一同 爆笑
堺雅人 濃かったですねー。濃かったといえば、今日、歌舞伎チームの皆さんが集まって話していたんですけど、まぁにぎやかで、おしゃべりが止まらないんですよね(笑)。巡業みたい。ずっと話してましたよね。
及川光博 試写観てるんだけど、みんなでしゃべっているから、副音声の解説付きなのよ(笑)。
北大路さん、現場に帰ってきた思いはいかがですか?
北大路欽也 とにかく現場の熱がすごいです。圧倒されます。一回閉じたら大変ですよ、気持ち的に。でも、この現場は誰も閉じない。本当に頭が下がりました。見事でした。
及川光博 緊張感たっぷりです。あと、北大路先生には申し訳ないんですけど…けっこうとちってます(笑)。
上戸彩 観ている方にブランクを感じさせないようにやらなきゃなという意識があったんですけど、今日1話を観た時に、皆さんからまったく感じなかった。素晴らしいなって、続編が当時から続いているように、あの頃を思い出して、半沢家も変わらずこのままいけたらいいなと思います。
尾上さんはスピンオフドラマからの出演。現場に立ってみてどうですか?
尾上松也 堺さんはあんなにセリフが多いのに全然噛まないので、そういう意味でプレッシャーは感じてましたね。ただ、その緊張感は、監督はじめスタッフの皆さんがこの作品を面白いものにしようという思いと、前作から続くチーム力で、良い意味の緊張感が混在している感じでしたね。半沢さんとご一緒のシーンが多かったんですが、改めて1話を見ると、それぞれの色がでまくっていて、自分大丈夫かなと不安になるくらいでした。
堺雅人 大丈夫ですよ。松屋さんが芝居した時の監督の顔がすごい良いんですよ。
市川家一族をかけての戦い?
片岡さん、また現場がやってきますね。
片岡愛之助 監督から現場で、台本にないセリフがどんどん追加されていくんですよ。で、いろんなパターンを要求されて、どのパターンをやってもジャイさん(監督)が喜んでくれるので、ジャイさんを喜ばせるためにやってるのかなって(笑)。自分でも、どのパターンが使われるのかなって、楽しみながら務めさせていただいております。
堺雅人 監督がやる黒崎のお姉の演技がすごく面白いんですよ。あれ、総集編かなんかで観たいな。でも、あんなにパターン違いを撮ってるのは黒崎だけですから(笑)。
猿之助さん、第一話から存在感がすさまじいですが。
市川猿之助 いやもう、中身はたいしたことない役者ですからね、半沢直樹のチームの皆さんが良い包装紙でラッピングしてくれたからよく見えただけで、その力はすごいと思うし、現場では香川さんが保護者のように付き添ってくださって、手取り足取り教えてもらったんです。チームで固まっているところに後から入るとすごく不安なんですけど、できの悪い子を見守る保護者のように。半沢さんて主役がキラキラ輝いていらっしゃるんですが、我々脇に出る人間の鏡が曇っていたら、その光を返せないんですよね。だから、脇がいかにキラキラ輝くかによって主役もまた輝くし、そういう意味で、脇としてどういう位置にいたらいいかっていうのを考えながら、半沢さんもすごく輝いていたので、お役目はちゃんとできたのかなって思いますね。
堺雅人 刀を吸い込むようなお芝居をされるんですよね。すごいんですよ、今回も。しょっぱなから、ファーストカットから。
香川照之 燃えましたよね。(市川につきっきりだったのは)だって、僕は前回、土下座をくらっているわけですから、うちのいとこまで土下座させるわけにはいかないですから! 一族をかけた戦いなんですよ!
一同 爆笑
堺雅人 たしかに、重たいものと戦っていた感じはしてた(笑)。
香川照之 僕は、役者が楽しんでたからこそ、それが画面を通じて出るから、お客様にも楽しんでいただけるのだと思っております。
今田さんはこの共演者の個性がうごめく中で、かなりビシビシ伝わってくるものがあると思いますが。
今田美桜 このあとでコメントしづらいですけども(笑)。今回参加させていただいて、緊張感に押し潰されそうになっていたんですけど、カメラが回っていないところでの皆さんのあたたかさがすごくて、そこには安心感があって、ふわってなりました。
一同 爆笑
井川さんは半沢さんたちの癒しの場なのかなと思いきや、今後どんな展開になるのか、いろんな要素を含んでいるかと思いますが。
井川遥 そうですね、今はまだ箸休め的な感じでいるんですけど、私自身も皆さんとどう絡んでいくのか楽しみですし、今田さんがおっしゃっていたように、現場はすごい熱量なんですけど、堺さんはじめみなさんがとても暖かく迎え入れてくださるので、これからのいろんな戦いを強い気持ちで演じていけたらいいなと思っています。
上戸さん演じる花ちゃんは前回、世の中のお父さんから「うちにも花ちゃんのような奥さんを」と大反響でした。
上戸彩 前回の時はまだ27歳で、髪の毛の色も少し茶色くて、ギャルっぽい花ちゃんだったんですよね。監督のジャイさんにも、こんなに髪の毛も明るくてガキンチョですし…みたいに言ったら、そのままでいい、髪の色も変えなくていいし、銀行員の奥さんに見えないほうがいいから、そのまんまのあなたでいてくださいって言われて、この作品に挑戦してみようって気持ちになれたんですけど、今回も初日から直樹と良い時間を作りあげることができていて。堺さんがアドリブをいっぱい出してくださるんですね。そこでいかにイチャイチャできるかっていう勝負で。
堺雅人 僕は家のシーンでしかアドリブできないですから。会議の場でアドリブはできないから、その分楽しく。
香川照之 もっとイチャイチャラブラブすればいいじゃん!
そんな花ちゃんの良妻っぷりですが。
堺雅人 ご飯が美味しいです。高タンパク低カロリーで薄味。そこに時代の流れと美術部さんの愛情を感じました。
上戸彩 私も美術さんから勉強しています。
今回は大和田リベンジの立場で始まりますが。
香川照之 池井戸潤さんの原作には大和田は登場しないので、これをどうするんだろうと。原作が完璧なんですよ。濃い男性の役者さんの中のどこに大和田が入るんだろうって。井川さんや今田さんも原作にないキャラクターですが、これだけ綺麗な女性方が出るのは意味わかるんですよ。なので、今日、池井戸先生も観ていらっしゃいますが、ダメだと思ったら、いつでもクビ切ってください(笑)。
大和田の名シーン、名台詞を今回もファンは期待していると思います。
香川照之 そうですね。1話からさっそく監督がアドリブのセリフを考えてくださって、来週披露されることになると思いますが。半沢直樹が輝く、それが視聴者の皆さんの月曜のスカッとする思いになる、それが起爆剤だったので、半沢直樹を引き立たせるために、微力ながらやらせていただければという思いですね。
では、最後に視聴者の皆さんにメッセージを。
堺雅人 先生のご指導のもと、ガイドラインに従って、安全に気をつけながら、しっかりと撮影しています。ですが、ぶつかる力を弱めるという選択肢は我々にはありません。全力でぶつかって、そのぶつかる様を皆さんに楽しんでいただけたらと思います。続編が決まってから、頑張れというお声をいただけるんですが、この時代に、頑張りたくても頑張れない方もいる中で、頑張れるってことは幸せなんだなって心から思います。その幸せを噛みしめながら、残りの撮影も頑張ります。7月19日、どうぞよろしくお願いします。
作品情報
日曜劇場「半沢直樹」
7月19日スタート 毎週日曜よる9 :00〜9:54
(※初回は25分拡大 よる9:00〜10:19)
製作著作:TBS
原作:池井戸潤
脚本:丑尾健太郎 ほか
演出:福澤克雄、田中健太、松木彩
プロデューサー:伊與田英徳、川嶋龍太郎、青山貴洋
出演:堺雅人
上戸彩 及川光博 片岡愛之助 賀来賢人 今田美桜 池田成志
山崎銀之丞 角田晃広 今井朋彦 粟島端丸 土田英生 戸次重幸 益岡徹 井上芳雄 南野陽子
筒井道隆 江口のりこ 柄本明
古田新太 井川遥 尾上松也 市川猿之助 北大路欽也 香川照之