「上々段の間」の障子戸につけられた菊紋の金具(右)。左側が盗まれた跡=2020年6月29日午後0時52分、宮城県松島町の瑞巌寺、志村英司撮影

写真拡大

 宮城県松島町の国宝・瑞巌寺は29日、本堂にあるレプリカの障子戸についた装飾金具が盗まれたと発表した。

 塩釜署が文化財を狙った窃盗事件として捜査している。金具には菊紋が彫られており、同寺は転売目的の可能性もあるとみている。

 同寺などによると、6月22日午前10時ごろ、巡回中の警備員が金具がなくなっていることに気づき、警察に通報した。盗まれたのは、皇族を迎える専用の部屋として造られたと伝わる「上々段(じょうじょうだん)の間」の障子戸の装飾金具1個。直径4センチの円形で銅製。水銀と金で加工され、菊の紋が彫られていた。障子戸には、工具などをかませて金具をはがした跡があった。

 昭和から平成にかけての修復事業で新たに付けられたもので、1個あたり20万円ほどだという。本堂内には防犯カメラが設置されているが、現場付近は「死角」だったという。新型コロナウイルスの影響で参拝客は例年の2割ほどだった。

 瑞巌寺の稲富慶雲・管理課長は「窃盗被害は記憶になく、誠に遺憾。金具のオークションサイトを見て、出品されていないか調べている。早く返してほしい」と話す。(志村英司、大宮慎次朗)