6月24日、東京で新型コロナウイルスの感染者55人が確認されました。この日の『ドラ魂キング』では、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスの最新情報をCBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。

職場内クラスター?

東京で感染者の確認が50人を超えたのは5月5日以来。5月25日に緊急事態宣言が解除されてから最多です。その後東京アラートが解除、先週末には全国の移動自粛も解除になっています。そんな中で55人。

石塚「この日の午前中にも小池知事が、『今日はかなり増えそうです』って事前に、それこそアラームを鳴らしてたぐらいなんで、東京都もかなり増えそうだってわかってたと思うんです」

55人の中にはホストクラブなど夜の繁華街関係の人も含まれていますが、もう一つ気になるのが同じ職場での感染。職場内クラスター(集団感染)のようなことが起きたこと。病院内クラスターはありましたが、職場内クラスターは今まで聞かれなかった言葉。

石塚「移動制限が解除されて、みんなが街に出始めていることと関係があるのか?心配です」
 

無症状の人が運ぶ?

この日、北海道小樽市で9人、札幌市でも1人感染が確認されました。小樽市では初となるクラスターです。
原因は高齢者が趣味でしていた昼間のカラオケ。感染者のうち7人がカラオケ利用者、1人がその家族。もう1人はカラオケ店の経営者でした。

石塚「職場内クラスターと昼間のカラオケ。何がきっかけになって感染が広がったのか不安です。こういう状況ですから、前以上に注意してるはずですよ。カラオケ店とかもマイクを消毒したり。何もやってないはずはない。それでも感染が広がる」

感染しているものの無症状のため、本人たちが気付いていない場合もあるんだとか。誰かが発症したので、周りを調べようとなって、初めて陽性がわかることも。

石塚「全国で移動OKになってから明日で一週間になります。この後増えていくのか、それとも抑えられるのかが、とても気になります」
 

どうなる?接触確認アプリ

石塚「位置情報(Bluetooth)を使った新型コロナウイルス接触確認アプリですが、不具合が起きているようです」

接触確認アプリの名は「COCOA」(ココア)。
陽性と判断された人に保健所から処理番号が届きます。
それをアプリに入力することで、陽性の人がどこにいるか知らせる仕組み。その番号を適当に入れても認識されるという不具合が出たようです。

厚生労働省のホームページによると「処理番号の発行は、しばらくお待ちください」となっています。19日にリリースされたこのアプリ、1ヶ月間は修正を加えていくとされています。

アプリは本格的には動いていませんが、ダウンロードは止まっていない模様。6月24日、17時30分の時点で約419万ダウンロードがあったとされています。
 

スマホ利用者の8割

石塚「オックスフォード大学の調査だと人口の6割の人がアプリを入れないと、感染拡大を食い止めるデータにはならないと言われていますが、まだほんの数パーセントの人しか入れてない」

日本の人口の6割は7,500万人。スマホを持っていない人もいるので、スマホの利用者だけでいうと8割ぐらいの人が入れなければいけません。現実的にみると、かなりハードルが高そうです。
 

アプリだけには頼れない

さらにハードルとなっているのが、このアプリ、実は自己申告だということ。陽性と判断された人は、保健所から貰った処理番号を自分で入力しなければいけません。陽性だとわかった人はちゃんと入力するのか?

また、陽性の人と接触しました、という通知を受けた人が、次にどう対応するのか?など、いくつものハードルがあります。

石塚「このアプリは一つのツール。これだけには頼れません。魔法の道具ではないんですよね」

いくらデジタルが発達しても感染防止の基本はアナログ。個人でのマスク着用と手洗いを心がけましょう。 
(尾関)
 

ドラ魂キング
2020年06月24日16時44分〜抜粋(Radikoタイムフリー)