8月に甲子園で「2020年甲子園高校野球交流試合」が開催されることになりました。僕も第299回のコラムで「高校球児に甲子園で練習だけでもさせてあげられないか」と心配していました。それがこうやって実現できたことは本当に素晴らしいと思います。また、いろいろな方々の尽力があったのだと想像しています。

高校サッカー界でもインターハイが中止になっていますし、U-18クラブユース選手権は延期になっています。これも何とか試合をさせてあげられないでしょうか。というのも、プロを目指す選手にとっては大切な大会だからです。

もちろん、サッカー界でスカウティングは充実しているので、この大会以前から多くの選手がピックアップアップされていることでしょう。練習試合にもスカウトの方は足を運んでいると思います。その意味で見落としは少ないかもしれません。

ただ、夏が終わってクラブがいよいよ正式オファーを出すという前に、いきなり見つかる選手もいます。大会を通じて急に伸びるチームや選手がいるのです。もし夏の大会がなければ、そういう選手は出てこないかもしれません。

新型コロナウイルスの影響ですべてを諦めてしまうのではなく、今回の高校野球交流試合のように、一部だけでも実現してあげられるよう、サッカー界だけではなく、いろいろなスポーツ界の方に知恵を絞ってほしいと思います。

そして高校サッカーでいえば、一部の高校を卒業してすぐプロになる選手よりも、大学に進学したり就職したりという選手が高校サッカープレーヤーの多数を占めるでしょう。その選手たちにとって夏の甲子園に匹敵する憧れの舞台が冬の「全国高等学校サッカー選手権大会」です。

新型コロナウイルスによる規制は次々に解除されてはいるものの、冬が到来したときどうなるかまだ分かりません。この高校サッカーのメインイベントも、ぜひ守り抜いてほしいと思いますし、そのために今のうちから対策も考えてほしいと願っています。