フルセットで際立つ、錦織の強さ。劣勢から追いついた時は歴代1位の勝率

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錦織圭(日本/日清食品)が、試合でフルセットにもつれ込んだ際に見せる強さはしばしば話題となる。今回ATP(男子プロテニス協会)は、3セットマッチでフルセットになった場合の中でも、錦織が第1セットを落とし、第2セットを奪った時は、更に際立った強さを見せているというデータを公開した。

ATPは、データを取り始めた1991年以降、3セットマッチでフルセットを50試合以上経験した166人の選手を対象としたデータを公開。全体では、フルセットにもつれ込む場合、第2セットを奪った選手の勝率が57.2%(7844試合/13708試合)、第1セットを奪った選手の勝率が52.1%(6870/13182)だった。


これに対し錦織は、第2セットを奪った時の勝率が76.5%(65/85)と、実に4回に3回は勝利している。これは絶対に諦めない精神で数々の記録を打ち立ててきたラファエル・ナダル(スペイン)を上回る歴代1位だ。


【第2セットを奪った時の勝率トップ10(3セットマッチでフルセットになる場合)】
1位:錦織圭(日本/日清食品) 76.5%
2位:ラファエル・ナダル(スペイン) 74.3%
3位:ステファン・エドバーグ(スウェーデン) 72.0%
4位:レイトン・ヒューイット(オーストラリア) 71.3%
5位:ピート・サンプラス(アメリカ) 71.3%
6位:アンディ・マレー(イギリス) 71.2%
7位:ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 71.0%
8位:エフゲニー・カフェルニコフ(ロシア) 70.4%
9位:アンディ・ロディック(アメリカ) 70.1%
10位:ステファン・コウベック(オーストリア) 70.0%


また錦織は、フルセットになる試合で第1セットを奪った時の勝率も、69.2%(45/65)と歴代4位だ。


この他にも錦織は3セットマッチで第1セットを落とした際(ストレート負けを含む)の勝率は35.9%で歴代7位、フルセット(3セットマッチと5セットマッチ全体)になった試合での勝率が74.2%で歴代1位と、接戦、逆境での強さを見せている。


男子テニスツアーは少なくとも7月中は再開されないことが既に決まっており、錦織は右肘の手術のため1年近く公式戦から遠ざかっているが、ツアーが再開された暁には、またその強さをファンに見せてくれることが期待される。


テニスデイリー編集部)


※写真は2019年「全仏オープン」での錦織
(Photo by Mehdi Taamallah/NurPhoto via Getty Images)