毎日2〜6分程度続けると、弱っている視力を活性化させることができる。新聞を読む時に、メガネ(老眼鏡含む)やコンタクトレンズが必要な人は、装着してから実践しよう。

★正しい目薬のさし方を知る

 放っておくと失明の危険性もある緑内障は、決して軽く見てはいけない目の病気だ。平松先生も、緑内障のことをよく知ってもらうだけでなく、目薬の正しいさし方も指導している。

「実は目薬の正しいさし方を知っているのは1割程度で、9割の人がさし方を間違えています。例えば、目薬をさした後に目をパチパチさせる人がいますが、これだと涙と一緒に目薬まで流れてしまいます。基本は、目薬をさした後にまぶたを軽く閉じ、目頭を人差し指で1分ほど軽く押さえます。そして、あふれた目薬はティッシュなどで拭き取ります」(平松先生)

 眼科で処方される薬のほとんどが目薬なので、このさし方は緑内障以外の目の病気の対応にも役立つ。正しいさし方を覚えて、手術などのリスクを下げるようにしよう。

◉老眼のチェックリスト
□ 本や新聞を読むと疲れる
□ 手元が見えにくくなった
□ 夕方になると見えにくい
□ 物を見るとイライラすることがある
□ 物をよく見ると肩こりや頭痛がする
上記のうち1つでも当てはまれば老眼の可能性大!

◉ペンがあればできる!老眼改善トレーニング
ペンを使ったトレーニングで、遠くを見たり、近くを見たりすることを繰り返すことで、弱った毛様体筋が少しずつ強化される。これを毎日継続して行うと、老眼改善に効果的となる。

<やり方>
(1)ペンの頭を30センチほど離して、ピントを合わせる。(2)ペンから視線を外し、2メートル以上先の目標物にピントを合わせる。この作業を交互に10回繰り返して1セットとし、1日何セット行ってもOK。

◉新聞があればできる視野拡大トレーニング
新聞の株式欄を使った目のトレーニングは、脳の視覚情報を処理する能力を高めて視野を広げるだけでなく、視野が欠ける緑内障の進行を防ぐこともできる。

<やり方>
(1)新聞の株式欄を手に持ち、株式欄の真ん中辺りの1点(・)を両目で見る。その点がまっすぐ目の前の位置に来たら、新聞を前後に動かして細かい字にピントを合わせる。(2)片方の目を閉じて視野の周辺がどのくらいかを確認し、さらにもっと周辺まで見ようとする。これを1〜3分行い、次にもう片方の目も同様に1〜3分行う。最初は片方1分ぐらいずつから始め、慣れてきたら時間を延ばしていく。

◉これもお勧め!手のひらで温める
白内障や緑内障といった目の病気の悪化を防ぐ基本は、目の周りや網膜の血管の血流をよくすること。つまり、温めるのがお勧めだ。手のひらを暖かくなるまで20〜30回擦り合わせ、目の上にのせて20〜30秒温めよう。ただし、手のひらが目に直接触れるのはNGだ。

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監修/平松類先生
二本松眼科病院医師。昭和大学兼任講師・三友堂病院非常勤医師。医学博士・眼科専門医。著書に『目が良くなる!! 10の眼トレ』(ぴあ)、『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)など多数。