コロナウイルスがイベントやニュースを圧倒しているなか、エンターテイメントやライフスタイルパブリッシャーたちはコンテンツ計画がひっくり返されている。

オリンピックといった大規模イベントがキャンセルされたうえ、それよりも小規模なイベントは当然のようにキャンセルされており、1カ月分にも値するコンテンツが失われた。それを補うため、バッスル・デジタル・グループ(Bustle Digital Group:BDG)、BuzzFeed、そしてピープル(People)は彼らが抱えるヴァーティカルメディアにコロナウイルス関連のコンテンツをフィットさせる方法、そしてウイルス報道から新しいフランチャイズを構築する方法を探している。

読者利益になるコンテンツを

BDGのナイロン(Nylon)の場合、コーチェラ(Coachella)音楽フェスティバルに大きなフォーカスを置いており、バッスルはウェディングシーズンを中心にした大きなコンテンツ計画を持っていた。しかし、これらの重要イベントたちが春・夏にかけてキャンセルされるなかで、読者の生活のさまざまな場面におけるコロナウイルスの影響に対処する方法を伝えるジャーナリズムを作ることにフォーカスを据えていると、ライフスタイル部門編集長であるエマ・ローゼンブラム氏は述べた。

「速報ニュースに参入しようとしているわけではない。リアルタイムで(コロナウイルス関連の)ニュースを報道するのではなく、読者に向けて利益となるようなコンテンツを」それぞれのブランドが抱えているトピック範囲に収まるアプローチで提供していると、ローゼンブラム氏は述べた。

たとえば、ロンパー(Romper)は、子どもを自宅で楽しませるためのコンテンツを用い、コロナウイルスが子育てに及ぼす影響について、重要なハブ(まとめページ)を設けた。バッスルは従来のウェディング関連のコンテンツから、新郎新婦それぞれの個人的なエッセイへと移行し、すでに支払った前金をどうやって取り戻すかといったハウツー記事も作っている。

ロンパーとバッスルは、コロナウイルス関連のコンテンツだけでも合わせて100万のユニーク訪問者数を得ている。コムスコア(Comscore)によると、2月にはバッスルは2600万、ロンパーは500万以上のユニーク訪問者数となっている。

パンデミック以前に作られたコンテンツに関して、ローゼンブラム氏は「すべてをあらためて目を通して内容を更新しているが、コロナ関連と無関係な物を出していないわけではない」と述べた。

バッスルが抱える各種ブランドたちは、この状況のなかで新しいフランチャイズを生み出そうとしている。ナイロンはインスタグラムライブ(Instagram Live)で自宅で演奏をするアーティストたちのコンサートシリーズを制作している。ロンパーはインスタグラムとウェブサイト両方で、子供向けの作家が自作を読み上げるシリーズを開始した。

「起きていることに反応する」

BuzzFeed.comのエグゼクティブ・ディレクターであるジェシカ・プロバス氏によるとBuzzFeedは、この状況のなかで、3つのコンテンツ類を作るためにエディトリアル戦略を移行させている。コロナウイルスに関連する直接の報道、隔離に関する報道、そして対抗するためのプログラムだ。

BuzzFeed.comのトップページの上部には、「コロナウイルス・アップデート」や「隔離ジョーク」が注目カテゴリーとして表示されており、サイトのランキングによると「自作マスク」が2番目に人気の動画となっている。

彼らによると、3月の頭以来、BuzzFeed.comとBuzzFeedNews.comはどちらも、年比較で43%のユニーク閲覧数の増加を見せている。コムスコア(Comscore)によると、BuzzFeed.comは2月に6500万以上のユニーク訪問者を得ている。前半2週間のコンテンツの大半はコロナウイルスに直接関連する報道に重きが置かれている。

彼らの明文化されたコンテンツ計画は、「先取りしてコンテンツを作るのではなく、起きていることに反応する」だと、プロバス氏は言う。BuzzFeedのデジタルスタッフはコロナウイルス関連のニュースが増えることに反応し、直近のコンテンツで直接反応を見せられたのは、そのためだと彼女は説明する。

動画制作に関しては、スタジオから自宅での制作へと完全に移行されたと、BuzzFeedの動画・ソーシャルパブリッシング部門エグゼクティブディレクターのメイシー・ティンポーネ氏は言う。「制作を停止はしていない。動画プロデューサーたちは3月第4週、「自宅に持ち帰るようの(必要なツールが入った)袋」を受け取った」と説明した。

しかし、彼らが制作している動画は、いままた、BuzzFeedらしいのものが増えている。それは、人々が何かにはじめて挑戦する、という内容だ。現在ではそれが、隔離された状態で行われているわけだ。

「たとえば、プロデューサーのひとりはトイレットペーパーの代わりに別の物や手法を試す生活を1週間試した」と、ティンポーネ氏は言う。

適切な範囲でウイルスのトピックを

People.comのエディターであるゾーイ・ルーダーマン氏によると、ピープルはコロナウイルスについて、パンデミックになる前の1月30日から言及しているという。彼らのエディトリアルスタッフは、夜間と週末勤務のスタッフも幅広く備えているため、国を挙げてのイベントや自然災害と同様、彼女のチームはコロナウイルス報道をキャッチアップできているのだそうだ。

ピープルはサイト上に10種以上のヴァーティカルを抱えており、ヘルスとヒューマンインタレストの部分が、コロナウイルス報道の扱われる明白な場所だと、ルーダーマン氏は説明する。しかし、それぞれのヴァーティカルもウイルスのトピックを適切な範囲で導入しているという。ペット分野のコロナウイルス関連の記事ですらトップ10に入っている。この記事では多くの人が自宅で隔離状態となっているなかで、シェルターの動物をペットとして引き取ることを扱った。

ここ2カ月のコロナウイルス関連の記事でもっともパフォーマンスが良いものが、アジア人に対する人種差別的な攻撃についてだった。そのためルーダーマン氏は、エディトリアル部門がアジア系アメリカ人の役者たちとコンタクトを取り、このトピックについて語ってもらったと説明した。それ以来、このシリーズはコロナウイルスに対処する医療従事者など最前線のスタッフからのエッセイなども含むものとして拡大されている。

「扱いを止めたフランチャイズはない」

もともと計画されていたコロナウイルスとは関係のないコンテンツについては、「扱うのを止めたフランチャイズはないが、トーンは異なっている」と、ルーダーマン氏は言う。

ピープルはセレブリティの日常を捉えた写真を集めたスター・トラックス(Star Tracks)というコーナーを持っているが、ここでは人とのあいだに適切な距離を保っている人物の画像しか扱わないようにしている。

Kayleigh Barber(原文 / 訳:塚本 紺)