(株)INS〈旧商号:(株)ヰノセント〉(TDB企業コード984554673、資本金1000万円、東京都千代田区平河町2-7-5、代表清算人橋本雅幸氏)は、2月14日に東京地裁へ特別清算を申請した。

 申請代理人は本多一成弁護士(千代田区平河町2-7-5、TF法律事務所、電話03-6206-1310)ほか。

 当社は、1988年(昭和63年)1月に創業、同年8月に法人改組した婦人服の販売業者。自社ブランドとして「ニーム」や「マリン フランセーズ」を展開、20〜40代の女性をメインターゲットに営業していたほか、ライセンス契約によるインポートブランドも扱っていた。直営店での小売事業を中心に、アパレルメーカーやセレクトショップ、専門店などへの卸も行い、2014年7月期には年売上高約41億円を計上していた。

 しかし、その後は新規顧客層の開拓が進まなかったことや、卸部門における得意先の低迷の影響などから業績が悪化。2015年7月期の年売上高は約37億4600万円に減少、減収の影響から営業赤字に転落していた。そうしたなかで、創業社長が立て直しを図っていたものの奏功せず、2017年4月に、セレクトショップ「ナノ・ユニバース」の創業者が立ち上げた企業に全株式を売却していた。

 以降、現代表らが株式を引き受け社有不動産の売却やそれに伴う金融債務の圧縮など、経営の立て直しを進めてきたものの資金繰りが悪化、支払いが遅れていたほか、資金調達にも支障を来たしていた。こうしたなか、経営コンサルを手がけるインスタイル(株)(東京都渋谷区)のグループ傘下に入り立て直しを図っていたが、その後、インスタイルグループでアパレル事業を手がける(株)INSTYLE APPAREL(東京都渋谷区)に事業を譲渡し、金融債務等の整理を目的に、2019年7月2日付で事後処理を弁護士に一任。特別清算を申請する準備に入った後、同年11月30日付で現商号に変更するとともに、現住所に移転。さらには同日、株主総会の決議により解散していた。

 負債は債権者約70名に対し約16億8000万円。