「Firefox 73」正式版リリース、視認性を向上させるオプションの機能向上など
ウェブブラウザ「Firefox 73」の正式版が公開されました。全てのサイトのズームを一律で設定できる機能が導入されたり、コントラストを高めて視認性を改善するモードをオンにした場合に背景と文字の両方を認識しやすくするなど、アクセシビリティに関するアップデートが含まれています。
Firefox 73.0, See All New Features, Updates and Fixes
Firefox 73 is upon us - Mozilla Hacks - the Web developer blog
https://hacks.mozilla.org/2020/02/firefox-73-is-upon-us/
◆一括でズームを設定できる機能が搭載
これまでも、サイトごとにズームレベルを設定することが出来ていましたが、ほとんどのウェブサイトをズームしたいというユーザーは新しいサイトへと移動するたびにズームの設定を行う必要がありました。Firefox 73からは設定の「言語と外観」にある項目を使うことで全てのサイトのズームを一括で調整することが可能になりました。この項目では文字のみのサイズ変更も可能となっています。
◆ハイコントラストモードで背景が無効化
Windowsには色の違いをよりはっきりと表示して見やすくする「ハイコントラストモード」という設定があり、そのモードを利用中の場合は、Firefoxも視認性が高まるようにウェブサイトの表示を変更しています。従来、このハイコントラストモードにおいて背景画像は非表示にされていましたが、Firefox 73からは文字と背景の間に背景色のプレートを配置することで、文字を読みやすくしたまま背景画像も表示できるようになりました。
◆その他
再生速度を変更して音声を再生している場合のクオリティを改善したほか、テキストのエンコードを明示していないサイトのエンコード判定が改善されています。
◆開発者向けの変更点
・スクロールに関するCSSの論理プロパティ「overscroll-behavior-block」と「overscroll-behavior-inline」が追加
・フォーム要素にrequestSubmit()メソッドが追加
従来のsubmit()メソッドとは異なり、フォームの送信ボタンをクリックした時と同一の動作を行います。
・Firefox 71で導入されたWebSocketのインスペクタがフォーマットされて表示されるように
・開発者ツールの動作パフォーマンスが向上
・コンソールの機能が向上
CORSエラーが警告として表示され、リソースが読み込めなかったことが明示されるほか、式の中で宣言された変数がオートコンプリートされるようになります。また、データURIを利用して画像を表示できるようになっています。
・DNS over HTTPSの設定にNextDNSが追加
Cloudflareに加えて2つめのオプションとなりました。
また、Firefox 73では数多くのセキュリティフィックスも含まれています。