サカナクション山口一郎 画家を目指す10代に贈る言葉
サカナクションの山口一郎が、TOKYO FMのレギュラー番組に出演。周りの人にはなかなか話せない相談として、画家になりたいというリスナーのメッセージを取り上げ、直接電話でアドバイスをしました。その前編。
(TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITY サカナLOCKS!」11月29日(金)放送分)
【リスナーのメッセージ:僕は今美術の専門学校に通っています。授業で作品を制作し、みんなの前で発表していくのですが、周りの人は僕の描いた絵を全く理解してくれません。先生にすら「難しい」と言われてしまう次第です。今の所、僕の絵をいいと言ってくれる人はいません。(20歳男性)】
山口:なるほどね。これは、作品を作る人は必ずぶつかる壁なんじゃないかと思いますけど……電話が繋がっているので、お話ししていきましょう。
もしもし、メッセージありがとう。美術の専門学校に通っているということなんですけど、1年生?
リスナー:2年です。
山口:専門学校って何年なの?
リスナー:うちの専門学校は3年制です。
山口:絵はいつごろから描いているの?
リスナー:幼稚園のころから絵を描くことが好きでずっと描いているんですけど、中学では美術部に入って、高校は美術科のある高校に通って、今は専門学校に通っています。
山口:今までの作品は、なかなか他の人に評価されないんだ? 周りに理解されないことで、どんなことが不安になる?
リスナー:本当にこれをやっていていいのだろうかとか、このまま絵を描いていて大丈夫なのかなっていう孤独感というか……。寂しいとか虚しい気持ちになりますね。
山口:そっか。やっぱり周りに評価されたいんだ?
リスナー:そうですかね……そっか……評価されたいんでしょうね……。自分の絵には自信を持っていて、“絶対にこれはかっこいい、これは僕の表現だ”って思って出すんですけど、講評会とかで出しても周りの反応はないし……っていう感じですね。
山口:なるほどね。実はね、事前に作品を見せてもらいましたよ。(番組HPで作品を確認 https://www.tfm.co.jp/lock/sakana/index.php?itemid=13963)抽象画だね。
リスナー:まあ……そうですね。
山口:これ、学校の先生とか友達じゃなくて、一般の人だったり、もう少しテーブルを広げた人たちに見てもらう機会はあるの?
リスナー:今思うとあまりないですかね……親くらいです。
山口:個展とかはやらないの?
リスナー:あ、個展は先日やりました。でも、来てくれるのは、学校の人とか身内とかなので……一般の意見というほどのものはもらえませんでした。
山口:僕はミュージシャンだから、音楽だったらコンテストに出るとか、CDを送るとか、コンピレーションを出すとか、フェスに出場するために応募するとか……デビューしたり、スターダムにのぼるルートみたいなものは想像できるけど。絵画でのやり方っていうのはちょっとわからないんだけど、そこに行きたいのか、ゴッホのように自分が描きたいって思っているものを描き続けて、いつか誰かに評価してもらうのを待つか。それか、受け入れられるものを研究して描いていくか……。
でも絵画って、人に受け入れられるものをひたすら描いていっても、評価されない世界だと思うんだよね。本当に自分が描きたいと思うものを描き続けている人が、最終的に評価される世界のような気がする。だからものすごく孤独でものすごく勇気がいるし、自信をつける技術も必要だと思うんだよね。
リスナー:そうですよね……。
山口:ただ、人に認められたい気持ちがあるのは健全だと思うんだけど、自分の作品を認めてくれない人を見下すのではなくて、迎合するのでもなくて、自分が好きなものを死ぬまで描き続けるのが一番僕はかっこいいと思うよ。100人いて……いや、むしろ1万人いて、9千人に評価されなくていいんですよ。1万人いて、1人に評価してもらえるものを作れればいいと思うよ。
リスナー:はい。
山口:でも、今周りにいる人たちって、多くて千人とかでしょう? 作品を見てくれる人って。でも、世界には何十億人っているわけじゃん。インターネットがあって、Instagramとかもあって。……あと、ギャラリーとかに持ち込むっていうのもありだけどね。見てもらうっていうのも。
リスナー:そうですね……。
山口:絶対に自分の作品はかっこいい、見る人が見ればいいと思うはず、って思うんだったら、勇気を出して持ち込むべきだと思うよ。
リスナー:はい。
山口:画家で生きていきたいの?
リスナー:画家になりたいです。
山口:おー、頑張ってほしいけどね。この間、絵は買ってもらえたの?
リスナー:はい。2作品。片方は身内なんですけど、片方は知らない人で。
山口:どんな気持ちだった?
リスナー:新しい感情でしたね(笑)。買ってもらえるんだ……って。今までは自分のものでしかなかったものが、相手に届くってすごく嬉しいですね。
山口:そうだよね。僕も初めて自分の曲がリリースされて、全然知らない土地にライブをしに行ったときに、自分の音楽を知っている人がいるっていうのを体験して、結構不思議な気持ちになったね。“あれ……ここ……大阪なのに、自分の曲をみんなが知ってる……!”って(笑)。
リスナー:(笑)。
山口:本当にそういう感動があったよ。それに近いと思う。
(後編に続く https://tfm-plus.gsj.mobi/news/gedkLf1EyP.html)
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【▷▷この記事の放送回をradikoタイムフリーで聴く◁◁】 http://www.tfm.co.jp/link.php?id=7710
聴取期限 2019年12月7日(土)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITY
パーソナリティ:マンボウやしろ教授
放送日時:金曜 23:00〜23:55
番組Webサイト ⇒ http://www.tfm.co.jp/lock/
(TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITY サカナLOCKS!」11月29日(金)放送分)
【リスナーのメッセージ:僕は今美術の専門学校に通っています。授業で作品を制作し、みんなの前で発表していくのですが、周りの人は僕の描いた絵を全く理解してくれません。先生にすら「難しい」と言われてしまう次第です。今の所、僕の絵をいいと言ってくれる人はいません。(20歳男性)】
もしもし、メッセージありがとう。美術の専門学校に通っているということなんですけど、1年生?
リスナー:2年です。
山口:専門学校って何年なの?
リスナー:うちの専門学校は3年制です。
山口:絵はいつごろから描いているの?
リスナー:幼稚園のころから絵を描くことが好きでずっと描いているんですけど、中学では美術部に入って、高校は美術科のある高校に通って、今は専門学校に通っています。
山口:今までの作品は、なかなか他の人に評価されないんだ? 周りに理解されないことで、どんなことが不安になる?
リスナー:本当にこれをやっていていいのだろうかとか、このまま絵を描いていて大丈夫なのかなっていう孤独感というか……。寂しいとか虚しい気持ちになりますね。
山口:そっか。やっぱり周りに評価されたいんだ?
リスナー:そうですかね……そっか……評価されたいんでしょうね……。自分の絵には自信を持っていて、“絶対にこれはかっこいい、これは僕の表現だ”って思って出すんですけど、講評会とかで出しても周りの反応はないし……っていう感じですね。
山口:なるほどね。実はね、事前に作品を見せてもらいましたよ。(番組HPで作品を確認 https://www.tfm.co.jp/lock/sakana/index.php?itemid=13963)抽象画だね。
リスナー:まあ……そうですね。
山口:これ、学校の先生とか友達じゃなくて、一般の人だったり、もう少しテーブルを広げた人たちに見てもらう機会はあるの?
リスナー:今思うとあまりないですかね……親くらいです。
山口:個展とかはやらないの?
リスナー:あ、個展は先日やりました。でも、来てくれるのは、学校の人とか身内とかなので……一般の意見というほどのものはもらえませんでした。
山口:僕はミュージシャンだから、音楽だったらコンテストに出るとか、CDを送るとか、コンピレーションを出すとか、フェスに出場するために応募するとか……デビューしたり、スターダムにのぼるルートみたいなものは想像できるけど。絵画でのやり方っていうのはちょっとわからないんだけど、そこに行きたいのか、ゴッホのように自分が描きたいって思っているものを描き続けて、いつか誰かに評価してもらうのを待つか。それか、受け入れられるものを研究して描いていくか……。
でも絵画って、人に受け入れられるものをひたすら描いていっても、評価されない世界だと思うんだよね。本当に自分が描きたいと思うものを描き続けている人が、最終的に評価される世界のような気がする。だからものすごく孤独でものすごく勇気がいるし、自信をつける技術も必要だと思うんだよね。
リスナー:そうですよね……。
山口:ただ、人に認められたい気持ちがあるのは健全だと思うんだけど、自分の作品を認めてくれない人を見下すのではなくて、迎合するのでもなくて、自分が好きなものを死ぬまで描き続けるのが一番僕はかっこいいと思うよ。100人いて……いや、むしろ1万人いて、9千人に評価されなくていいんですよ。1万人いて、1人に評価してもらえるものを作れればいいと思うよ。
リスナー:はい。
山口:でも、今周りにいる人たちって、多くて千人とかでしょう? 作品を見てくれる人って。でも、世界には何十億人っているわけじゃん。インターネットがあって、Instagramとかもあって。……あと、ギャラリーとかに持ち込むっていうのもありだけどね。見てもらうっていうのも。
リスナー:そうですね……。
山口:絶対に自分の作品はかっこいい、見る人が見ればいいと思うはず、って思うんだったら、勇気を出して持ち込むべきだと思うよ。
リスナー:はい。
山口:画家で生きていきたいの?
リスナー:画家になりたいです。
山口:おー、頑張ってほしいけどね。この間、絵は買ってもらえたの?
リスナー:はい。2作品。片方は身内なんですけど、片方は知らない人で。
山口:どんな気持ちだった?
リスナー:新しい感情でしたね(笑)。買ってもらえるんだ……って。今までは自分のものでしかなかったものが、相手に届くってすごく嬉しいですね。
山口:そうだよね。僕も初めて自分の曲がリリースされて、全然知らない土地にライブをしに行ったときに、自分の音楽を知っている人がいるっていうのを体験して、結構不思議な気持ちになったね。“あれ……ここ……大阪なのに、自分の曲をみんなが知ってる……!”って(笑)。
リスナー:(笑)。
山口:本当にそういう感動があったよ。それに近いと思う。
(後編に続く https://tfm-plus.gsj.mobi/news/gedkLf1EyP.html)
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【▷▷この記事の放送回をradikoタイムフリーで聴く◁◁】 http://www.tfm.co.jp/link.php?id=7710
聴取期限 2019年12月7日(土)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITY
パーソナリティ:マンボウやしろ教授
放送日時:金曜 23:00〜23:55
番組Webサイト ⇒ http://www.tfm.co.jp/lock/