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パナソニック初のフルサイズミラーレス「LUMIX S1R・S1」がプロの広告撮影にチャレンジする連載。第4回目は、フォトグラファー中野敬久氏によるファッションポートレイト。連載初登場のS1を使用して雨上がりのロケ撮影と1灯ライティングのスタジオ撮影、両方のシチュエーションを試してみた。

IMPRESSION 中野敬久 × LUMIX S1

MODEL:河村 花 ST:TAKAFUMI KAWASAKI(MILD) HM:スズキミナコ レタッチ:畑島康人
撮影データ:LUMIX S1+LUMIX S PRO 50mm F1.4/1/640s f1.8 ISO100
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S1の実力を測るべく2つのシチュエーションを設計

今回は、プロフォトグラファーへの訴求ということで、僕が主戦場としているファッションポートレイトでテストシュートを行ないました。

S1が持つ、幅広いシチュエーションに対応できるポテンシャルを試すために、エディトリアルを想定したロケーションワークと、広告撮影の定番であるスタジオワークといった2つのシチュエーションで、S1の実力を測ってみました。

程よい重量感と50mmレンズのクオリティ

ロケ撮影では、LUMIX S PRO 50mm F1.4を装着して撮影しました。まず持った感じですが、確かに他のフルサイズミラーレスなどと比べると重さがあるのですが、収まりが良かったです。ちゃんと“カメラを持っている感”を与えてくれます。軽すぎるとやっぱり心許ないんですよね。

そして、何よりレンズのクオリティに魅了されました。ヌケ感の絶妙さや、ボケ足の出方は他のレンズにはない個性があります。とても明るいレンズで使いやすいし、個人的に好きなレンズですね。

優秀なホワイトバランスと色再現

LUMIX S1+LUMIX S PRO 24-70mm F2.8/1/125s f8 ISO200
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スタジオ撮影は、LUMIX S PRO 24-70mm F2.8を使いました。普段の広告撮影で使う頻度が高い焦点距離ですね。これも癖なく使いやすいレンズです。

黒の衣装でライトも少し落とし気味だったのですが、中間トーンがしっかりしていて衣装のディテールも再現できています。かなり優秀に思えましたね。

色味についてはとても自然に出てくれます。カメラ内の色調整で普段自分が使っているカラーチャートの近くまで持ってこられたので、その後の現像は楽でした。

多くの撮影シーンに対応

S1Rが高画素機ということですが、S1の画素数が足りていないということはなく、有効2420万画素もあれば充分仕事で使えるスペックです。もちろん屋外広告で大きなポスターとなると話は変わってきますが、僕の仕事の範囲だとCDジャケットやエディトリアルも多いので、そういった媒体であれば全く問題ないですね。逆に画素数が高すぎて取り回しが悪くなることも考えると、人によっては丁度良いのかもしれません。

それと、撮影の進行が早く感じました。レスポンスがいいんでしょうね。シャッターを切るテンポが早くなるんです。それでいて、シャッターチャンスを逃しているわけではないので機動性の良さが活きてきますよね。スピード感のある撮影にも向いていると思います。



Panasonic
LUMIX S1

ISO100〜51200の常用感度域を持つ高感度モデル。S PROレンズの高い描写性能を活かしつつ、幅広い撮影シチュエーションで使用することが可能。

なかの・ひろひさ
「L'UOMO VOGUE」などのファッション誌や、国内外の俳優女優、アイドル、ミュージシャン、文化人など枠にとらわれないポートレイト撮影で幅広く活動中。
www.hirohisanakano.com
facebook.com/STUDIO.RIOTHOUSE



※この記事はコマーシャル・フォト2019年12月号から転載しています。