半年ほど前、知り合いの編集者から一冊の本が送られてきた。

 

その名も『50000人を占ってわかった 愛を叶える人 見離される人』(崔 燎平・著/内外出版社・刊)。この著者の前作はお気に入りの一冊だし、今回もなかなか興味深いタイトルと装丁だったが、「もう結婚して子どももいるし、いまさら恋愛ハウツー本もな…」などと躊躇い、本棚に並べたままだった。

 

それが最近、友人から立て続けに恋愛や夫婦関係の悩みを打ち明けられ、「読むなら今でしょ!」と改めて本書を手にとったところ、これが恋愛や結婚だけでなく、夫婦関係から嫁姑問題まで、人生のあらゆるキーポイントで役立つ情報が満載で唸った。なにが「いまさら恋愛ハウツー本もな…」だ、半年前の私。何事も、先入観にとらわれるのは良くない。

 

私たちは「なる前」に「なっている」

著者の崔さんは、「予約の取れない占い開運アドバイザー」。といっても、崔さんになにか神秘的な力があるわけではない。

 

手相や占星術、四柱推命など、先人たちが体系づけてきた占いの知識に加えて、これまでに5万人以上の悩みを聞き、相談に乗ってきたなかで見えてきた傾向をベースに、「その人の運を切り開く、ほんの些細な心がけと習慣」をアドバイスしてくれるのだという。

 

そんな崔さんがまず伝えるのは、「人は『なる前』に『なっている』」ということ。

 

たとえば、お金持ちには長財布を持っているという傾向があるそうだが、これはなにも、お金持ちになってから長財布を持つようになったというわけではなく、お金持ちに「なる前」から長財布を持っていたのだ。つまり、お金持ちになる人は、実際にそうなる前から、お金持ちになるような習慣が身についていたということ。これが、「なる前」に「なっている」ということなのだと崔さん。

 

幸せな恋愛や結婚も同様で、良縁を招くような土台作りをしている人にこそ素敵な出会いはやってくる。

 

たとえば、「恋人ができる前から、恋人を招けるような部屋を作っておく」こと。

 

常に部屋を綺麗に整え、いつ来客があっても焦らないような準備ができている人は、家まで送ってくれた彼を躊躇なく招き入れることができるし、部屋が散らかり放題で出かけた人は、せっかく意中の彼と接近できるチャンスをふいにすることになる。

 

これは私にも経験がある。仲間内で遊びに出かけた後、そのころいい雰囲気だった彼が車で家まで送ってくれた。もうすぐで家に着く…というとき、「トイレに行きたいから、家に寄ってもいいかな?」と言われたのだが、私の家はひどく散らかっていて、とても彼を呼べる状態じゃなかった。結局、泣く泣くお断りしたのだが、そのときの彼の落胆した表情といったら、決して忘れることはないだろう。もちろん、恋愛には発展しなかった。

 

また、全国各地に縁結びで有名な神社は多々あるが、それらを巡る前に、自分の家から一番近くにある神社(氏神様)を欠かさずお参りすることが大切だと崔さん。というのも、氏神様は自分にもっとも縁の深い神社であり、いつも見守ってくれている神様。だからこそ、スタンプラリーのように「縁結びの神様めぐり」をするのではなく、まずは一番身近な氏神様を大切にすべきなのだそう。これにはかなり納得だ。

 

 

ダメ男を引き寄せる悪3か条

ちなみに、崔さんいわく「出会い運を開くためにやめたいこと」がいくつかあるという。

 

・暗い色の洋服ばかり着る

・過剰なメイクやカラコンで外見を飾り立てる

・「彼氏が欲しい」とアピールする

 

などがそれだ。

 

黒は別れを象徴する色であり、良縁を遠ざける色だと言われている。体のラインをスッキリ見せてくれるというメリットもあるが、体型というコンプレックスを隠すためにダーク色を身につけることで、女性のコンプレックスを見抜き、言葉巧みに褒め立てて心に入り込んでくるチャラ男が寄ってくる率も高くなるのだそう!

 

厚化粧やカラコンなども同じで、外見を飾り立てることで女性はコンプレックスを隠そうとする、つまり、過剰なメイクはコンプレックスを公言しているようなもの。その結果、外見だけを褒めてコンプレックスにつけこみ、その気にさせるようなダメ男が寄って来やすいので要注意だ。

 

また、常日頃から「彼氏が欲しい」と言っている女性も、ダメ男を引き寄せやすい。なぜならば、そこには「誰でもいいから、一緒にいてほしい」という寂しさが透けて見えてしまうからだと崔さん。もしも素敵な出会いを望むのならば、「彼氏が欲しい」ではなく「恋がしたい」というひとことが◎。「私が夢中になれる男性ならば付き合いたい」というメッセージであり、良い恋愛ができる確率がぐんとアップするそうなので、覚えておきたい。

 

 

結婚がゴールじゃない!幸せな夫婦生活を送る3つのカギ

良い相手との縁を引き寄せ、晴れて結婚!となっても、そこがゴールではないことは周知の事実。3組に1組が離婚している、なんて話もあるくらいで、満ち足りた結婚生活を送ることこそ結婚することよりも難しいものだ。

 

そこで崔さんがアドバイスするのは、「夫婦間でも適度な距離感が必要」だということ。

 

家族になったからといって、だらしない部屋着で一日中過ごす、下着姿も平気で恥じらいがない、などといった姿は避けるべき。いつまでも男女の緊張感を保つことが、夫婦円満のカギなのだそう。夫婦それぞれ、自分の時間を楽しむこともまた、適度な距離感を保ち、末永く愛を育んでいく秘訣だ。

 

そしてもうひとつ、結婚生活で陥りがちな「嫁姑問題」に関しては、「夫が嫁と姑の中立の立場を取ろうとすること」が一番いけないと崔さん。

 

血のつながった親子の縁は切れないが、他人同士である夫婦の縁は、ふとしたきっかけで簡単に切れてしまう。だからこそ、「結婚したら妻が一番、母は二番」という夫の姿勢こそ、夫婦関係を良好に保ち、幸せな家庭を築いていく土台作りの要になる。世の男性の皆様、ぜひ心しておいてほしい。

 

 

幸せな出会いと人生を掴むためには、自分に100点満点をつけよう!

『50000人を占ってわかった 愛を叶える人 見離される人』で崔さんが教えてくれることは、至極シンプルで、色恋沙汰に限らず大切なことばかり。

 

何より響いた言葉は、「幸せになるためには、まず自分自身を愛すること、自分に100点満点をつけること」だった。だって、自分に低い点数をつけることは、自分の大切な人をも無意識のうちに貶めることになるのだから。もしも自分のことを「30点」と評価するなら、30点の子どもを生んだ自分の母親も30点、同じ母親から生まれてきた兄弟も、みんな30点だということ。

 

自分自身に高得点がつけられないという人は、自分の大切な人に点数をつけてみよう。その人が100点であれば、自分自身もすでに100点満点なのだ。そう本書で語る崔さんは、この上なくやさしく、あたたかい。彼のアドバイスを信じて素直に実践すれば、必ずや良縁に恵まれるだろう。

 

 

【書籍紹介】

50000人を占ってわかった 愛を叶える人 見離される人

著者:崔 燎平
発行:内外出版社

50000人を占ってわかった「愛を叶える人」と「愛に見離される人」の違いとは? 出会い運や恋愛運、結婚運の開き方から、結婚した後の夫婦円満のカギや、嫁姑問題など、私たちの「愛」にまつわる運の開き方を解説します。

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