バービー人形よりも小さく生まれた赤ちゃん(画像は『FOX 10 Phoenix 2019年10月21日付「Baby weighing less than 1 pound at birth released from Phoenix hospital after nearly 150 days」』のスクリーンショット)

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米アリゾナ州マリコパ郡フェニックスの病院に入院していた女の子カリー・ベンダーちゃん(Kallie Bender)が今月21日、誕生から150日ぶりに退院した。カリーちゃんの出生時の体重は368グラム(13オンス)で、身長はバービー人形よりも低かったが、現在の体重は3キロを超えたようだ。この日は両親が医師らとともに会見を開き、退院の喜びを語った。『FOX 10 Phoenix』『AZFamily』などが伝えている。

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エボニー・ベンダーさんが妊娠25週目の検診で「セントジョセフホスピタル・アンド・メディカルセンター(St. Joseph’s Hospital and Medical Center)」を訪れたのは、5月20日のことだった。9月に出産を予定していたエボニーさんは高血圧のためハイリスク妊娠と診断されていたが、すでに2人の息子を出産しており、3人目の妊娠もこの日までは順調だった。エボニーさんは検診以降の日々をこのように振り返っている。

「超音波検査をしている最中に、診察室の空気が一変するのを感じました。あ、何か異常があったんだと思いました。」

「その後病院で精密検査が行われ、4日後に医師から『母体が原因で胎児に十分な栄養が送られず、血流が悪くなっている。羊水も減っているようだ。今すぐ出産しなければ赤ちゃんの命が危ない』と告げられたのです。5月24日のことでした。」

「そして告知から約1時間後、カリーは予定より15週早く体重368グラムで誕生し、すぐに新生児集中治療室へと運ばれたのです。医師には『身体があまりにも小さいので、栄養や酸素を送るチューブが使用できないかもしれない。生存は難しいかもしれない』と言われました。でも私と夫は、その日遅くにカリーと対面することができました。」

「動脈管開存症という先天性心臓疾患を抱えていたカリーは、心臓の手術も受けなければなりませんでした。ただ幸いなことに、カリーには超低出生体重児にみられる脳出血や視力障がいはありませんでした。」

「カリーはほんとに小さくて、病院にあった一番小さなサイズのおむつでさえ大きすぎるほどでした。バービー人形よりも身長が低いあの子を見た時は、正直なところとても怖かったのです。でも病院のスタッフから『体調がいい日もあれば悪い日もあるのよ。決してあきらめないで』と励ましを受け、冷静に対処することができたのです。毎日が新しい発見の連続でしたが、なによりもカリー自身が数々の困難を乗り越えて闘ってくれました。」

「この数か月のカリーの成長は著しいものがありました。本来であれば子宮の中で成長するのでしょうが、娘の顔のつくりやサイズ、そして性格まで、日に日に変わっていくのが分かりました。」

「カリーを抱っこすることできたのは生後37日目でした。そして、生後100日目も病院でお祝いをしました。医師やスタッフには本当に良くしてもらいました。」

「カリーの現在の体重は約3175グラム(7ポンド)で、やっと平均の新生児のサイズになりました。まだ酸素と栄養を摂るチューブを外すことはできず、カリーはこれから自分で呼吸し、食べることを学んでいかなければなりません。それでも退院を迎えることができてとても嬉しく思っています。これから家族5人で過ごせることを楽しみにしています。」

なお『Verywell Family』によると、在胎週数が22週の場合は生存率が10%と低いものの、23週では50〜66%、24週では66〜80%、25週では75〜85%、26週では90%以上と高くなるそうだ。在胎週数が26週未満、または体重が800グラム未満の場合、脳性麻痺や精神発達遅滞、視力・聴力障がいなどのリスクは高いものの、医療の進歩によりカリーちゃんのような超低出生体重児の生存が可能になっているという。

画像は『FOX 10 Phoenix 2019年10月21日付「Baby weighing less than 1 pound at birth released from Phoenix hospital after nearly 150 days」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)