Pixel 4は「eSIM」国内対応、願わくばGoogle Fiの日本展開を(石川温)
昨年、日本でも本格的に展開されることになったグーグルのスマホ・Pixel 3。鳴り物入りで登場したが、個人的に唯一の不満だったのが「おサイフケータイには対応するが、eSIMには対応していない点」だった。

海外で販売されているPixel 3は、eSIMには対応しているが、おサイフケータイには非対応という仕様。つまり、どちらか一方にしか対応できないというわけだ。

当時、iPhoneはすでにFeliCaに対応しながらもeSIMを搭載しており、海外渡航時などはeSIM業者と契約して、安価にデータ通信が利用できていた。世界の最先端を行くはずのグーグルがなぜ、このタイミングでeSIMを搭載していなかったのか、理解に苦しんだ。

そんな嘆きを原稿に書いたせいではないだろうが、今年、発売となるPixel 4においては、しっかりとおサイフケータイに加えて、eSIMにも対応してきた(残念ながら、今年はいまのところSoliレーダーには非対応だが。こちらは2020年春対応予定)。

 

自分がPixel 4で真っ先に試したかったのが、Google Fiが使えるかどうかだ。

Google Fiとはグーグルがアメリカで提供しているMVNOサービスだ。スプリントやT-Mobileなど複数キャリアからネットワークを借り、その場で最も電波状況の良いネットワークに繋いでくれる。利用料金は音声通話のかけ放題を含む基本料金が20ドル、1GBで10ドルのデータ通信料金となる。最近では70ドルで基本料金を含むデータ使い放題サービスも始まっている。

Google Fiがすごいのは、世界各国でもローミングで同じ料金で使えるという点だ。仕事柄、海外出張が多いので、とても助かっている。

すでにアメリカではPixel 2のころからeSIMに対応しており、Google Fi(当時はProject Fi)が利用できていた。自分もPixel 2、Pixel 3をアメリカで入手し、Google FiのeSIMを使っていたが、当然のことながら技適マークがついておらず「日本で使えない」というジレンマを抱えていた。

今回、日本で売られるPixel 4がeSIM対応になったことで、ようやく、技適警察の目を気にすることなく日本でもProject FiをeSIMで使えるのだ。

 

Pixel 4では、通常、起動後に初期画面からすぐにeSIMを設定するような画面が表示される。ここでeSIM設定を選ぶと、ネットワーク事業者から配布されたQRコードを読み込むページに移動していく。

しかし、Google Fiを使いたい場合はそのページをスキップ。まずは一通り、Androidの設定を終えてしまう必要がある。

Google FiのSIMを書き込むには、Google Fiのアプリから行う。Google PlayからGoogle Fiのアプリをダウンロード し、アプリからログインするだけでSIM情報が書きこまれていく。QRコードを読み込むといった作業は一切不要だ。

すでにGoogle Fiのアカウントを持っていれば、わずか数分で番号が書き込まれる。ちなみに、手元にはPixel 4とPixel 4 XLがあったので、最初にPixel 4にGoogle FiのSIM情報を書き込み、そのあと、同じ操作をPixel 4 XLでも行った。すると、一瞬でSIM情報がPixel 4 XLに書き込まれ、Pixel 4からは消えてしまった。もちろん、この際に手数料などは発生しない。

これで、晴れてeSIMによるGoogle Fiが日本でも使えるようになったわけだ。



ちなみに、SIMカードトレイにもSIMカードが入るので、当然のことながら、デュアルSIMとしても利用できる。

Google Fiはアメリカでサービスになっており、残念ながら日本のグーグルからは提供されていない。70ドルで世界どこででも使えるという便利なサービスだけに、ぜひとも日本でも提供してほしいと思う。