韓国人観光客は“半減”も日本の旅行収支は過去最高…日韓観光客の「意外な共通点」とは

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日本の財務省が発表した8月の「旅行収支」が、8月としては過去最高を記録したという。

旅行収支は、旅行者のお金の出入りを示すもので、1518億円の黒字だった。

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今年8月といえば、11カ月ぶりに訪日外国人観光客数が減った(前年同月比2.2%減)ことで話題となったが、8月最高の黒字ということは、1人当たりが日本で使うお金が増えたことになるだろう。

そもそも8月の訪日外国人観光客が減ったのは、韓国の影響が大きい。

韓国では日韓関係の悪化で「日本不買運動」が拡大し、「日本旅行ボイコット」も起きた。その影響を受ける韓国航空会社も少なくないほどだ。

その結果、8月に日本を訪れた韓国人観光客数は30万9000人と、前年同月比48%減に。文字通り、半数になったわけだ。

仁川国際空港

にもかかわらず、今回発表された「旅行収支」では8月の過去最高黒字となっているため、韓国人観光客が日本でお金をあまり使っていないということがわかる。

韓国人観光客は日本で“お金”を使わないr理由

ただそれは以前から指摘されていたことだ。

国土交通省観光庁が昨年1月16日に発表した、訪日外国人の消費動向を調査した結果では、2017年の訪日外国人旅行者の消費額(速報)は4兆4161億円だった。

国籍・地域別に見ると、1位は中国で1兆6946億円と全体の38.4%を占めていた。2位は台湾(5744億円・13.0%)で、韓国は3位(5126億円・11.6%)に留まった。

同年、訪日した外国人観光客全体の約25%は韓国人だったが、日本で使ったお金は全体の約12%。そして1人当たりの消費額も韓国人は7万円台と、中国人の3分の1にも満たなかったのだ。

そこには理由がある。単純に滞在期間が短いのだ。

ある韓国メディアは、「日本を訪問する韓国人観光客は平均4.3泊で、一度の訪問で1人当たり7万1795円を使っている。他の外国人は平均9.1泊しながら15万3921円を使っている。韓国人観光客は滞在期間が相対的に短いので、1人当たりの支出規模も少ないものと解釈できる」と指摘していた。

たしかに韓国から見ると、距離が近い日本は短期の旅行に最適だ。筆者の知人や友人も、数日間だけ日本に遊びに来るという人がほとんどだ。

興味深いのは、日韓を逆にした場合でも同じ結果が出ているという点だ。

韓国を訪れる日本人観光客は、あまりお金を使わない。

日本人も韓国でお金を使わない

韓国文化観光研究院による2016年の訪韓外国人1万2003人を対象にした調査結果を見ると、韓国を訪れる外国人観光客の使うお金は平均1625ドル(約17万円)だった。

最も韓国でお金を使うのは「中東からの観光客」で、1人当たり2594ドル。以下、中国人(2060ドル)、ロシア人(1783ドル)、シンガポール人(1573ドル)、「香港からの観光客」(1520ドル)と続く。

そして日本人は1人当たり814ドルで、調査対象国で最も低かった。平均の半分ほどという金額だ。

日本人が韓国でお金をあまり使わない理由も、韓国人が日本であまりお金を使わない理由と同じだろう。近いからこそ滞在期間が短く、結果的に使うお金も少なくなっていると推測することができる。

この結果に対して「日本人は“ケチ”」などと報じる韓国メディアもあったが、お互い様としかいいようがないのではないだろうか。

いずれにしても相手国を訪れたときは、日韓の観光客はあまりお金を使わない傾向があるようだ。

だからこそ今回発表された「旅行収支」の結果や過去の調査は、日韓が隣国同士であることを改めて強調しているようにも感じた。