中国メディアは、もし中国に大雨を伴う台風が上陸したら「高速鉄道はどのように対処するだろうか」と問いを提起した。(イメージ写真提供:123RF)

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 10月12日、13日に日本を襲った台風19号がもたらした甚大な被害には新幹線車両の浸水も含まれる。中国メディアの今日頭条は13日、大雨を伴う台風が中国に上陸した場合の仮定について考察する記事を掲載し、「高速鉄道の対処方法」について論じる記事を掲載した。

 記事は、台風19号が引き起こした千曲川の氾濫によって長野新幹線車両センターの新幹線車両が水につかっている写真を掲載。中国高速鉄道の場合は修理コストが車両コストの60%に達する場合は廃棄処分になると説明しつつ、もし中国に大雨を伴う台風が上陸したら「高速鉄道はどのように対処するだろうか」と問いを提起した。

 この問いに対し、高速鉄道の現在の線路の大部分は「高架線」であるため、たとえ洪水が発生しても水は線路に侵入しにくいと指摘した。確かに北京と上海を結ぶ京滬高速鉄道の場合は86.5%は高架線となっている。

 さらに新幹線の鉄道網に比べると高速鉄道の鉄道網はより四方八方に通じているため、仮に対処できる能力を大幅に超える「数年に一度あるかないか」という大雨や洪水が生じた場合、高速鉄道車両センターは高速鉄道車両を前もって安全な場所に移動させると説明した。

 その一例として、今年8月に台風11号が福建省に上陸する前日に、廈門駅の高速鉄道車両を泉州駅、恵安駅、仙游駅など台風の影響が比較的小さい場所に移動させたことを紹介。また福建省の高速鉄道網は数十の駅が「環状」で連結されているため、台風の翌日に高速鉄道車両は移動先の駅から直接乗客をのせて運行を開始できたと説明した。

 この記事に対し、ある中国ネットユーザーは「今回のような台風はまだ中国で発生していないだけだ」と指摘し、広州などでは毎年夏に少し大雨が降るだけで街の大部分が浸水するというコメントを投稿したほか、別のユーザーは「自然災害を前にしては、仙人のように見通しの利く人など誰もいない」というコメントを投稿している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)