ヤマハ、電動スクーターやE-MTBの新作を東京モーターショーで世界初公開へ
ヤマハ発動機が東京モーターショー2019の出展概要を明らかにしました。全18台の出展車両の中には、世界初公開となる2台の電動スクーターと本格的なオフロード走行向け電動アシストMTBが含まれています。「E01」と「E02」は、どちらもヤマハの2輪車技術と電動パワートレインを組み合わせた小型スクーター。E01は「都市間を快適に移動できる余裕を持った、急速充電にも対応した都市型コミューター」と説明されています。「エンジン出力125cc相当」とあるので、定格出力0.6kW超1kW以下(0.82〜1.36ps)の第二種原動機付自転車に含まれるモデルになると思われます。

ヤマハが現在販売している第一種原付の電動スクーター「E-Vino」(テレビ東京系列で放送されているTV番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』でお馴染み)に比べると、車体もパワーも余裕があるため、近所のチョイ乗りのみならず、仕事や通勤にも十分使えそうです。30km/hの最高速度制限に縛られず、二段階右折の義務からも解放されます。

となると、気になるのは航続距離、つまり1度の充電でどれだけの距離を走れるかということですが、現時点では明らかにされていません。東京モーターショーの会場で訊いてきます。

ヤマハはこのE01が「日常ユースでの実用性と従来のスクーターを上回る走りの上質感を両立」したと主張しています。「走りの上質感」が、単なる騒音や振動の少なさだけでないことを期待しましょう。

そしてE02の方は、エンジン出力50cc相当つまりE-Vinoと同じ第一種原動機付自転車になります。E-Vinoのレトロなスタイルとポップなカラーリングに対し、このE02はモダンでスポーティなデザインが特徴。見た目だけではなく、前輪にはディスクブレーキが装備されるなど、走りの面も強化されていることがうかがえます。

こちらも現時点でスペックは公開されていませんが、バッテリーやモーター、そして車重がE-Vino並みであるとするならば、航続距離は30km/h 定地走行テスト値で29km(実走行では20km程度)のE-Vinoと大差ないでしょう。バッテリーはE-Vinoと同じく着脱式なので、簡単に取り外して室内で充電できます。



もう1台、今回の東京モーターショーでワールドプレミアとなる2輪車が「YPJ-YZ」というE-MTB(電動アシストMTB)です。

街中で電動アシスト付き自転車といえば、主に急な坂道を上る際などにモーターの恩恵を体感できますが、過酷なオフロードを走るE-MTBでは、さらに人間の力を超えた動力性能を発揮できることが最大の魅力。従来のMTBとオートバイのモトクロスの中間に位置する、新しいスポーツとして人気が高まっています。競技または専用の場所を走ることに限定すれば、電気モーターのパワーは道路交通法にも縛られません。

ヤマハはスポーツ電動アシスト自転車「YPJ」シリーズから、日本の公道も走れる本格的なE-MTBを販売していますが、今回発表されるYPJ-YZはその名前が表すとおり、ヤマハのモトクロス専用オートバイ「YZ」から着想を得たデザインとなっています。2本のダウンチューブに重量物であるバッテリーを挟み込むことで、YZと同様に車体の中心に重心を収め、運動性能を高める設計が可能になったと、ヤマハは説明しています。これによって「厳しい路面での安定したコーナリング性能と、軽快な取りまわし」を実現したとのこと。現在市販されているE-MTB「YPJ-XC」(下の写真)はハードテールですが、このYPJ-YZはリアにもサスペンションを装備していることが写真から判ります。


なお、以上の3台は、今回の東京モーターショーでは「参考出展車」となっています。つまり、市販化の予定をほのめかしつつも、まだ発売は明言されていないということです。よって現時点では価格も想像するほかありませんが、参考までに挙げると、E-Vinoの消費税10%込みメーカー希望小売価格は24万900円、YPJ-XCは38万5000円となっています。E01はもちろんE02もE-Vinoより高く、そしてYPJ-YZがYPJ-XCよりだいぶ高価になることは、おそらく間違いないでしょう。



他にもヤマハは今回の東京モーターショーで、自律ソリューションビークルのコンセプト(上の写真)などを世界初公開する予定です。

第46回東京モーターショー2019は、東京ビッグサイトをはじめとするお台場周辺エリアにて開催。一般公開日は10月25日から11月4日までとなっています。