「国旗と違う色のユニフォームを着る8つのサッカー代表チーム」

写真拡大 (全9枚)

現在行われているラグビーワールドカップで日本代表チームが着用しているのは白と赤のユニフォーム。まさに日本の国旗と同じカラーだ。

しかしサッカーの日本代表は伝統的に青を使用しており、同じ国の代表が違う色を使うという状況となっている。

ただ世界には国旗と全く違った色を使っているチームもいくつかあり、それぞれの理由も存在する。そんな8つの代表を特集してみよう。

日本

国旗:白、赤

ユニフォーム:青

もちろん、国旗と違う色のユニフォームを着るチームといえば我らが日本代表を思い浮かべる方が大半だろう。

日本の国旗は日の丸であり、白を基調に赤の円をあしらえたもの。しかし日本代表チームのユニフォームは青がベースとなっている。

その理由は定かではなく、日本サッカー協会でも「なぜ青なのかということは文献が残っておらず不明です」と説明されている。

1980年代末から90年代初頭にかけて短期間ホームユニフォームのカラーが赤になったが、成績が芳しくなかったこともあって元の青に戻された。

ニュージーランド

国旗:青

ユニフォーム:白

ラグビー代表チームは「オールブラックス」、そしてサッカー代表チームは「オールホワイツ」と呼ばれるニュージーランド。その名称通り、サッカーではホームが白、アウェイが黒となる。

ニュージーランドの国旗は青を基調として赤い星が4つ書かれ、さらに左上にユニオンジャックを配したもの。なぜユニフォームは白なのか?その理由はラグビー代表チームにある。

オールブラックスと呼ばれ始めたのは1905年代初頭だといわれる。理由は諸説あるが、イギリスへのツアーに出たラグビー代表チームが既に黒を着用していたことは確かなようだ。

なので本来ならサッカー代表チームも伝統ある黒を着用するはずだったのだが、審判の色と被ってしまうことから一時FIFAが規制をしていた。そのため白を使わざるを得なかったというのが理由だそう。

イタリア

国旗:白、緑、赤

ユニフォーム:青

日本と同じく、イタリアも国旗とは全く違うブルーのユニフォームを身に着けているチームの一つで、「アッズーリ」の愛称を持つ。旗は白、緑、赤で形成されているが、青一色が伝統的なデザインだ。

なぜイタリアが青になったのか。それは1861年から1946年まで君主制であったイタリアを支配したサヴォイア家に端を発している。

その間にイタリアサッカー連盟が設立されたため、サヴォイア家がエンブレムに使っていた「高貴な色」である青が採用されたのだという。

オーストラリア

国旗:青

ユニフォーム:黄色、緑

ニュージーランドとかなり似た国旗を採用しているオーストラリアも、全く違ったカラーをユニフォームに使っている。黄色をベースに緑をアクセントとする、ブラジルのような意匠だ。

旗には含まれていないが、黄色はオーストラリアにとって重要な色だ。それは国の花であるアカシア・ピクナンサ(ゴールデン・ワトルとも)と同じであるからだ。

1900年代以前に行われた独立への動きや国家統一の際にシンボルとして使われたことから、国の象徴としてみなされているものだ。

ドイツ

国旗:黒、赤、黄色

ユニフォーム:白

黒、赤、黄色(正確には金色)のカラーリングが憲法で規定されているドイツであるが、由来については定かなものがないとのこと。色については名誉、自由、祖国を表しており、1849年の革命でドイツ統一を求める自由主義者がシンボルとして使っていた。

なぜドイツ代表チームが白を着用することになったのかという点については、ドイツのサッカー協会が1900年に設立されたところに理由がある

その当時はまだプロイセン王国が存在していたことから、その王家が使用していた白を基調とする旗のカラーが取り入れられたそう。

オランダ

国旗:赤、白、青

ユニフォーム:オレンジ

サッカーに限らず、オランダ代表チームといえばオレンジである。それはオランダ解放を指導したウィリアム3世を表すカラーだった。

国旗のカラーは上から赤、白、青であるが、実はこの赤はもともとオレンジであったのだ。なぜ赤に変わったのかという理由については、色褪せやすかったためであるとか、他の色と間違えられやすいからだったといわれる。

1813年のオランダ独立後はオレンジのものと赤のもの両方が使用されたが、のちに正式に赤のほうが国旗と認められた。

したがって、むしろもともとの国旗の色がユニフォームとして生き残っているという珍しい関係なのである。

ベネズエラ

国旗:青、黄、赤

ユニフォーム:バーガンディ

ベネズエラの国旗は黄、青、赤の3色。1806年に初めて使われ、独立戦争の時代に州を表す星が追加された。その後もデザインがコロコロ変えられているが、ベースの3色は変わらない。

一方代表のユニフォームはシックなバーガンディで、熱心なファンも多い。最初に使われたのは1938年の大会であったとのこと。なぜその色になったのかという理由には諸説がある。もともとベネズエラの軍の色だったとか、青、黄、赤をブレンドしたら濃赤になったとか(そんなわけがないが…)。

ただ、最も有力なのはコロンビアやエクアドルのような似た色の国旗を使っている国と差別化したかっただけであるという説だそう。

なお、1998年にはいったん国旗に似たカラーを採用したものの、わずか2年で元のバーガンディへ。近隣国と違う色を選択している点を含め日本に近いを経緯を辿っている国といえそうだ。

クウェート

国旗:黒、緑、白、赤

ユニフォーム:青

汎アラブ色を使った中東らしいカラーリングだが、左に黒を台形で配するという個性をつけているクウェート。独立後1961年にデザインが制定された。

サッカーにおいてはかつてアジアトップクラスのチームとして君臨。そのユニフォームは伝統的に青を使用し、アクセントとして白を加えている。

その色の理由はクウェートの環境にあるといわれる。かつて真珠産業が盛んだったことによる海、中東の美しい空を表したものだとか。