国際線の機内に持ち込める液体物は限られている。行きはしっかり準備していても、帰りにお土産で買ったものを、うっかり持ち込みそうになってしまった...そんな経験がある人もいるのではないだろうか。

広島空港のロビーには機内に持ち込んでいけない液体物の例が並べられているが、ツイッターではその中の「ある容器」が注目を集めている。

マヨネーズのようなつぼ型の容器に赤いキャップ。そう、公式ツイッターが反応している通り、これは広島名物のお好み焼きソース「オタフクソース」に間違いない。

しかしJタウンネットが9月6日に広島空港ビルディング航空サービス部に取材したところ、すでに容器は撤去されてしまったという。

いったいなぜオタフクソースを展示していたのか、そしてなぜ撤去を決めたのか...。担当者に事情を聞いた。

サンプル展示は10年以上

担当者が広島空港に乗り入れする航空会社の団体・広島空港AOCに確認したところ、パッケージは具体的な商品名やメーカー名を伏せるためにはがしているとのこと。

オタフクソース以外にもいくつかの商品をサンプルとして展示しているが、過去にはあるメーカーから指摘されたこともあるようで、

「面白いという意味で話題になっていることは承知しているんですけど、『持ち込めませんこの商品』みたいな書き方にすると、どうしてもメーカーの方とか商品にネガティブなイメージが付いてしまうという思いがあるようで...」

と、実はあまり注目してほしくない部分であったことを明かした。

サンプルは機内への液体物の持ち込みが制限されるようになった2007年から展示している。その甲斐あってか今では機内の持ち込みも少なくなっているが、

「最初の頃は結構いらっしゃったんじゃないかと思います。仕事で海外赴任されてる方が広島へ帰って、また向こうに帰る時は、オタフクに限らずしょう油とかいろいろな物を持ち帰るケースがあると聞いていますので」

と、担当者は話す。

メーカー・商品名が分かるものを撤去してきた背景があること、持ち込む人が少なくなってきたことなどから、オタフクソースの容器は9月5日に撤去してしまったという。有名になった後だけに、残念だ。


以前は、パッケージそのまま展示されていた(画像はKei@dzx37さん提供、2016年7月投稿)