使用済み核燃料の収容器などを製造していたバオ・メタル(帝国データバンク撮影)

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 バオ・メタル(株)(TDB企業コード:800492070、資本金3000万円、福岡県福津市本木984、代表福岡廉蔵氏、従業員28名)は9月2日、福岡地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は三浦邦俊弁護士(福岡県福岡市中央区赤坂1-15-33、三浦邦俊法律事務所、電話092-737-5885)。

 当社は1994年(平成6年)9月、宝鋼板(有)の商号で糟屋郡新宮町に設立した製缶板金業者。当初は鋼板およびステンレスのレーザー加工、シャーリング切断加工、折り曲げ・プレス加工などの鋼材加工を主力としていたが、2003年6月に現本店工場へ移転するとともにバオ・メタル(有)に商号を変更して以降は、原子力発電所などで使用する使用済み核燃料(放射性廃棄物)収容器や、法面保護工事に使用する受圧板、タワー式駐車場の躯体などの製作事業にシフト、2007年1月に現商号へ変更し、2008年8月期は年売上高約6億2700万円を計上した。

 その後も太陽光発電パネルの設置架台の受注なども得ながらコンスタントに5億円前後の年売上高を確保していたものの、鋼材価格の上昇や高止まり、荷造運賃費の増加などで収益は低調に推移していた。それに加え、放射性汚染物の減容化設備にかかる開発の失敗から2018年8月期の年売上高は約3億6600万円にダウン。2億円を超える最終赤字を余儀なくされ、債務超過に転落するなか、資金繰りが急速に悪化。採算改善を図っていたが、奏功せず、今回の措置となった。

 負債は債権者約126名に対し約6億4600万円が見込まれる。