【2019年ベストドラマ】『Fleabag フリーバッグ』が3冠、北米のテレビ批評家協会が授与

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200人を超えるTV番組の批評家たちが所属する「TV批評家協会(以下TCA)」は、現地時間8月3日(土)2019年度のベストドラマを選出した。2016年に英BBCで放送開始、Amazon Prime Videoで全世界に配信された人気コメディ『Fleabag フリーバッグ』が13部門中3部門を受賞する強さを見せている。

3部門制覇の『Fleabag フリーバッグ』


TCAはアメリカおよびカナダの批評家が加入している業界団体であり、毎年優れた番組に賞を授与している。第35回を迎える今年は、ロンドンが舞台のシリーズ『Fleabag』が3部門を制覇した。総合賞の「最優秀作品賞」およびジャンル別の「最優秀コメディ・シリーズ賞」が同作品に対して贈られたほか、主演のフィービー・ウォーラー=ブリッジが「コメディ・シリーズ主演賞」を射止めた。

同番組は、ロンドンに住む女性・フリーバッグを主人公にしたシニカルなタッチの作品。いつも怒りに燃える彼女だが、必死に生きようとするほどに耐えがたい結果を招いてしまう。湧き上がる性欲もモチーフの一つとなっており、フリーバッグは大統領演説に欲情してしまうほど強い欲求の持ち主。性をテーマにした個展を開くオープンな代母や、フリーバッグが恋人を乗っ取ろうとしているのではと疑心暗鬼に駆られる姉など、一筋縄では行かないキャラクターが揃う。今年に入り、最終章となるシーズン2が公開されている。

北米で高評価の作品は...?


複数部門を制覇したのは同作のみとなったが、ほかにも多くの優秀な番組が賞を獲得している。今年の受賞作品は以下のとおり。

  • ドラマ・シリーズ主演賞:ミシェル・ウィリアムズ『Fosse/Verdon(原題)』
  • コメディ・シリーズ主演賞:フィービー・ウォーラー=ブリッジ『Fleabag フリーバッグ』(Amazon Prime Videoで配信中)
  • 最優秀ニュース・情報番組賞:『ネバーランドにさよならを』(Netflixで配信中)
  • 最優秀リアリティ番組賞:『Fleabag フリーバッグ』(Amazon Prime Videoで配信中)
  • 最優秀作品賞:『Fleabag フリーバッグ』(Amazon Prime Videoで配信中)
  • キャリア功労賞:デヴィッド・ミルチ『Hill Street Blues(原題)』
  • ヘリテージ賞:『デッドウッド 〜銃とSEXとワイルドタウン』


最優秀ニュース・情報番組賞は、マイケル・ジャクソンによる性的虐待疑惑を扱い賛否が割れた『ネバーランドにさよならを』。最優秀リアリティ番組賞は、超個性的でセンス抜群のゲイ5人組が、依頼人のヘアスタイルからファッション、インテリア、思考に至るまで、様々な分野についてアドバイスをし、人生を華やかにしてくれる感動のドキュメンタリーシリーズ『クィア・アイ』。最優秀ユース番組賞には教育アニメ『Arthur』。最優秀寸劇・バラエティ賞には、トークショーとニュースへの風刺が売りの『Last Week Tonight with John Oliver』が選出された。

さらに最優秀新番組賞は、時間を何度もループするがどう頑張っても死んでしまうNetflixオリジナル『ロシアン・ドール:謎のタイムループ』。最優秀TV映画・ミニシリーズ賞は、原発事故を扱ったミニシリーズ『チェルノブイリ』。最優秀ドラマ・シリーズ賞は『ブレイキング・バッド』スピンオフの『ベター・コール・ソウル』が栄誉に輝いた。

このほか、一流監督とダンサーに芽生えた恋を実話ベースでまとめた『Fosse/Verdon(原題)』からは、ダンサー役のミシェル・ウィリアムズがドラマ・シリーズ主演賞に。また、『ヒルストリート・ブルース』『NYPD BLUE 〜ニューヨーク市警15分署』などの脚本・製作総指揮で知られるデヴィッド・ミルチがキャリア功労賞に輝いた。2004年から2006年まで氏が製作に携わった『デッドウッド 〜銃とSEXとワイルドタウン』は今回、ヘリテージ賞を受賞している。(海外ドラマNAVI)

Photo:『Fleabag フリーバッグ』© 2016 Amazon Studios
『クィア・アイ』© Christopher Smith/Netflix