2019年8月25日に投開票が行われる埼玉県知事選挙。その選挙ポスターが県民に衝撃を与えている。

まずはそのポスターをご覧いただこう。


白岡駅に掲示されている埼玉県知事選挙のポスター(2019年8月6日、Jタウンネット撮影)

ご覧の通り、2月に映画が公開され大ヒットを飛ばした「翔んで埼玉」とコラボしたのだ。

よりによってなぜ...

翔んで埼玉」といえば、埼玉県民がひたすら虐げられる様を面白おかしく描いた怪作。よりにもよって虐げられる側である埼玉県のトップを選ぶ選挙ポスターに起用されるとは――。

選挙と結びつかないような派手なカラーリングと文字。そして、作品の主要キャラ・白鵬堂百美のこちら。

「埼玉県民には...!投票に行かせておけ!!」

草でも食わせておけと言っていた狂気はどこへ行ったのか。威勢はそのままに至極真っ当な台詞に置き換えられている。


白岡駅に掲示されている埼玉県知事選挙のポスター

原作の奇抜さを活かしたポスターはツイッター上で、

「埼玉県の選挙ポスターは毎回これでいいと思う」
「翔んで埼玉県知事選挙www」
翔んで埼玉に選挙のシーンあったっけ?と思いそうですが本物の埼玉県知事選挙のポスター」

など目撃した県民からの評判は上々(?)といったところだ。

ちなみに前回15年の県知事選挙のポスターは鴻巣出身タレント・照英さんが起用されたが、インパクトと注目度においては翔んで埼玉が1枚上と言えそうだ。

しかし、これは埼玉県民がひたすら虐げられる作品――。ブームになったとはいえ、大真面目な選挙のポスターに起用された理由が気になる。

そこで19年8月6日、Jタウンネット編集部は埼玉県選挙管理委員会の担当者に話を聞いた。

起用についてはコンペを経て選出されたという。「どれもすばらしい作品だったのですが...」と担当者は話したが、

「埼玉を思わせる、連想させるそして感心を高める。若者に対するアピール」

が審査基準の1つにあり、この点に優れていたのが採用された「翔んで埼玉」のポスターだった。

大変恐縮だが、この基準に前回の照英さんは当てはまらない気がする。

知事選で翔んで埼玉は「統一キャラクター」として、ポスターだけでなくチラシなどにも登場する。「どこに貼ってあるかといった問い合わせもあります」

と担当者。ポスターは駅との調整などの関係で早いものでは7月30日から掲示が始まっているが、場所によってばらつきがある。また、県の機関や市町村役場については納品ができ次第、掲示されるようだ。