ホンダのNシリーズから「N-WGN(エヌワゴン)」、「N-WGN Custom(エヌワゴン カスタム)」が8月9日に発売されます。ホンダは現在、軽スーパーハイトワゴンの「N-BOX」の売れ行きが絶好調ですが、この勢いがさらに加速しそうです。

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2011年にデビューした「N-BOX」からはじまった「N」シリーズはホンダ独自の「M・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想」によって生み出された広さ、心地良さを活かしてシリーズのラインナップを拡大。累計販売台数は約230万台におよびます(2018年度末 一般社団法人 全国軽自動車協会連合会調べ)。2017年には2代目「N-BOX」がデビュー、そして2018年の「N-VAN」に続き、今回発表されたのが軽ハイトワゴンの「N-WGN」となります。

 

N-WGNのテーマは「New Simple!」と、すごく分かりやすい内容。「目指したのは、様々な人が自分らしさを投影でき、どのようなシーンでも便利に使えて、思った通りに走ることができる、生活のパートナー。当たり前のことが当たりまでにできて、しかも乗る人を楽しい気持ちにしてれくる乗り物です」とは、本田技術研究所 主任研究員の古舘 茂さん。

↑本田技術研究所主任研究員、古舘 茂さん。N-WGNの開発責任者でもあります

 

↑「モノ」としてクルマを所有するよりも、「日常の生活をより豊かに」してくれるクルマが求められています

 

フロントフェイス、ドア、リアゲートーー新型N-WGNのボディは、おおらかな面で構成されているのが特徴。パキッとした「折り目」はどこにも入っておらず、繊細なふくらみのあるボディラインで、本当にシンプルそのもの。生活になじむ、やわらかいカタチを目指しているのがわかります。

 

2代目N-BOXの軽量・高効率なプラットフォームを活用しながら、フロアを左右に横切るクロスメンバーを専用設計したうえで、高粘土接着剤によるボディ接合の適用部位も拡大しています。

↑N-WGNのボディカラーは、「ホライズンシーブルー パール&ホワイト」。価格は127万4400円〜163万1880円です

 

↑N-WGNのボディサイズは、全長3395×全幅1475×全高1695mm

 

ボディカラーは、N-WGNが9つのカラーと4つの2トーンカラー、N-WGN Customが7つのカラーと4つの2トーンカラーを設定。パール、メタリック、ソリッドのいずれも、やわらかな表情と、しっかりとした佇まいが活きるカラーリングです。

↑N-WGN Customは、メッキパーツをふんだんにあしらっているのが特徴です。ボディサイズは、全長3395×全幅1475×全高1705mm。価格は151万2000円〜179万3880円

 

エンジンはバルブコントロール機構VTECの採用によって、パワーと低燃費を両立したNA仕様と、電動ウェイストゲートバルブの採用で燃費性能とレスポンスの向上を果たしたターボの2種類をラインナップしています。NAエンジンは最高出力58PS、最大トルク65N・m、WLTCモード23.2km/L。ターボエンジンは最高出力64PS、最大トルク104N・m、WLTCモード22.0km/Lを誇ります。NA仕様では先代N-WGN対比約7%の低燃費比を達成。

 

インテリア、ラゲッジスペースはとにかく使い勝手が良い!

室内は、もちをん快適な空間を目指して設計。使い勝手を考えたインテリアレイアウトとなっています。シートの高さを上下させる「運転席ハイトアジャスター」は、50mmの幅で好きな位置に動かすことが可能。先代N-WGNより調整幅を大きくしたことで、体格を問わず、ちょうどいい姿勢で運転ができそう。

 

ちょうどいい姿勢で走り、手を伸ばしたところにステアリング。そんな理想のドライビングポジションを叶えるため、前後にステアリングを動かせるテレスコピック機構をホンダの軽自動車としてはじめて採用しています。

↑N-WGNのインテリア。ブラウン×ベージュの明るいながらも落ち着ける空間を演出しています

 

↑テレスコピック&チルトステアリング。前後の調節幅は30cmあります

 

リアゲートを開けば大きな荷室が広がります。こちらも新型N-WGNの大きな特徴のひとつ。ワンアクションでシートを倒せば、ほぼ段差のない荷室スペースへ。さらに、手元やリアシート下など、ちょうど物を置きたい位置に、ちょうどいい収納が用意されています。

 

先代N-WGNから荷室を大幅に低床化し、地面から荷室までの高さはN-BOXと同等の高さとしています。ペットボトルやビールケース、さらにはスタッドレスタイヤなど、重い荷物を持ち上げるのは大変。しかし床を低くすることで、荷物を持ち上げる力を最小限に抑えられます。

↑荷室上段の高さは、ショッピングカートに多い730mmに設定しています

 

最新の安全性能「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を標準装備。渋滞中も使えるように進化したACC(アダブティブ・クルーズ・コントロール)や、より暗い状況にも対応した歩行者検知や自転車検知などで、運転手の疲労軽減や安心感の向上を図っています。

 

便利な電子制御式パーキングブレーキやパーキングセンサーなどの装備も充実。これほどの安全性能標準装備の背景には、ホンダ調べのアンケート調査結果にあります。N-BOX購入理由のなかで、「予防安全性能」などが2015年は10位以下だったのに対して、2018年には上位に。それだけ安全性能へのユーザーの意識が高くなっています。だから、N-WGNにもホンダが持つ最新の安全性能を標準装備させたわけです。

↑軽自動車にも「予防・衝突安全性能」や「乗り心地・静粛性」を求める声が上位に上がっています

 

↑渋滞追従機能付ACC。渋滞中にも、前を走るクルマとの車間距離を保ちながら自動で加減速を行います

 

ホンダが提唱するこのクルマの使い勝手の良さは、確かに使いやすくて利便性が高いと感じました。特にラゲッジスペースの荷物の出し入れは腰への負担が軽くなりそうです。

 

さてスズキ、ダイハツといったライバル車たちが存在する、軽自動車戦国時代に新型「N-WGN」「N-WGN Custom」が登場。同車が軽ハイトワゴンの勢力図を、どう変えていくのでしょうか……⁉︎