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調理ロボットサービスを開発しているスタートアップであるコネクテッドロボティクス株式会社(https://connected-robotics.com/)は、2019年7月16日(火)〜18日(木)の3日間、自動朝食調理ロボットサービス「Loraine(ロレイン)」の実証実験を「カンデオホテルズ東京六本木」で行なった。

「Loraine」はコネクテッドロボティクスでインターンシップを行なっている学生チームが開発を行なっているロボット。客がタブレットで注文すると、アルミ皿に入れられたベーコンや温野菜、卵をホットプレートで調理して、トレイに載せて提供する。調理には準備済の野菜と卵が入った専用トレイを使っている。調理能力は2食あたり9分。1時間当たり最大12食が提供できる。

■動画:

●ビュッフェの一部でロボットが調理

ビュッフェスペースの一角に設置されている。意外なほど違和感がない

今回はホテルでの朝食ビュッフェの一角に設置されている。宿泊客はロボットに温かい料理を注文したあと、他の食事を取り分け、そのあいだにロボットが朝食メニューを調理するというかたちだ。コネクテッドロボティクスでは「効率性とエンターテイメント性を兼ね備えた、新しいホテルの朝食」だとしている。

アルミトレイに入った卵やベーコンをピックしてホットプレートで焼いていく

ホットプレート上の金具は、アルミトレイの位置ズレを防ぐため

焼きあがった卵やベーコン

●スライディングレールを使って横移動、複数の卵やベーコンを同時調理

開発メンバー。左から東京農工大学の山口佑也氏、尾関沙羅氏、東京大学の宮武茉子(みやたけ・まこ)氏、犬塚悠剛(ゆうごう)氏

開発したのはコネクテッドロボティクスの四人の学生インターン。東京農工大学の学生が二人(学部3年生と修士課程2年)、東京大学の学生が二人だ。開発チームリーダーは東京大学工学部4年生の宮武茉子(みやたけ・まこ)氏。「Loraine」の名前は、宮武氏が好きな映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主人公マーティの母親の名前に由来している。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」冒頭での自動朝食機械が好きで、そこから付けたそうだ。今回は「ロボットに全く興味を持ってない人たちにも、ロボットによる料理の姿を見せられたことが嬉しかった」という。

フタをとって裏面の水滴を別皿に受けたりもする。芸が細かい

2019年2月のホスピタリティとフードサービスの商談専門展示会「HCJ2019」に出展されていたとき、そしてその後、優秀な東大発スタートアップを「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)」に送り出すイベント「Todai To Texas」でDemo Day Awardを獲得したときに出展されていたと比べると、スライディングレールを使って横に移動し、複数の目玉焼きやベーコンなどを同時に焼けるようになった。

ハードウェアにはDobot社の「Dobot Magician」を使っている。低価格の卓上サイズ教育用ロボットながら、堅牢性で定評があるハードウェアだ。コネクテッドロボティクスではソフトクリームロボットにも「Dobot Magician」を活用している。スライディングレールもDOBOT製。

エンドエフェクタ(ハンド)はオリジナルで、将来、先端部分を取り替えて別の調理をすることを想定して、電磁石で爪の部分が取り外しできるようになっている。

ハンドはオリジナル

●今後はビジネス展開も視野に

今回の実証実験を取りまとめたコネクテッドロボティクス取締役の佐藤泰樹氏は今後について、「もともと家庭用を想定して学生たちが開発したもの。だが今後はBtoBも視野に入れて開発していきたい」と語る。たとえばオムレツなどを作れるように検討していくという。

今回の実証実験は、カンデオホテルズ側から提案されたものだったとのこと。株式会社カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント ヴァイスプレジデントの及川圭司氏が、展示会でコネクテッドロボティクスとホシザキによる皿洗いロボットのデモと、たこ焼きロボットのデモを見て、何かできないかということで提案したものだという。

株式会社カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント ヴァイスプレジデント 及川圭司氏

同社でも将来的な人手不足に対応するためにバックヤード作業などにロボットが必要だと考えていること、また、もともと同ホテルチェーンでは海外、特に欧米圏からの宿泊客が非常に多いことから、何か楽しんでもらいたいと考え、まずは取っ掛かりの一つとして、今回、3日間の実証実験となったという。実証実験の場所に六本木を選んだのは、喫食率がおよそ3割程度と他店よりも低いことから、適していると判断したという。実際、ほとんど違和感なくサラダバーの横にとけこんでいた。

(森山 和道)