広島・曾澤翼【写真:荒川祐史】

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9回2死満塁から左前へ試合を決めるサヨナラ打

■広島 7-6 ロッテ(交流戦・20日・マツダスタジアム)

 広島の會澤翼捕手が20日、本拠地マツダスタジアムでのロッテ戦で乱戦にケリをつけるサヨナラ打を放った。

 初回からプロ初スタメンとなった小園の活躍で先制し、その後も鈴木の本塁打などで着実に追加点を奪い、6回終了まで6点リードと楽勝ペースで試合が進んだ。しかし、先発して6回無失点と好投していた床田が降板した7回、リリーフ陣が崩れて一挙4点を奪われ、8回はレグナルト、9回もフランスアが失点して同点とされた。連敗中の沈滞ムードが漂い始める中、9回に2死満塁で打席に入った會澤は、レフト前にしぶとく落ちるサヨナラ打を放って試合を決めた。

「コントロールがついていなかったので、初球から甘いボールが来ると思って積極的にいった」と、申告経験を含めて3つの四球でピンチを作ったブランドンの初球を狙い打ちした。打ち上げた打球がショートとレフトの間に落ち、會澤は一塁を回ったところで両手を上げて喜びを爆発させた。

「トコ(床田)も頑張っていたから。(5被弾で2回KOされた)前の登板から素晴らしい投球をしてくれた。気持ちが強いと思った」と、捕手らしく好投の床田をねぎらった選手会長は「3連敗だけは絶対にやってはいけないことだから」と、同一カード3連敗の阻止を喜んだ。

 交流戦最下位と厳しい状況が続くが、會澤は「チームで頑張っていくしかない」と結束を誓い、最後は「よかったです、勝てて。それだけです」と、薄氷を踏むような勝利を噛み締めていた。(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)