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ソフトバンクは新東名高速道路でトラックの隊列走行の実証実験を行い、5G技術を使った車間距離の自動制御に世界で初めて成功した。注目すべきポイントは、一般車も走行する高速道路において、5Gの車車間通信を使って自動で車間距離を保った走行ができた点。
ソフトバンクは兼ねてより自動車と自動車で直接通信したり、基地局に設置したエッジコンピュータを使って自動車同士で通信する「車車間通信」(V2V通信:Vehicle to Vehicle)の研究開発を進めて来た。最も知られているのが3台のトラックによる隊列走行だ。従来からトラック3台間で、低遅延(高レスポンス)の5G通信を使った車車間通信の実験が行われてきた。
将来的には先頭車にのみドライバーが乗って運転し、後続の2台は無人のカルガモ走行で先頭車を追尾して走行するシステムを目指している。流通業の人手不足、ドライバー不足を解消する方法として期待されている。

トラックによる隊列走行で過去の実証実験の様子 関連記事「世界初、ソフトバンクが基地局圏外でも5Gで1ms以下の車車間通信に成功 「トラック隊列走行」の早期実現に向けて
今回、その実験を更に進め、一般の高速道路で、しかも交通量が決して少なくない新東名高速道路において3台のトラックによる隊列走行の実験を実施し、時速約70kmで一定の車間距離を保って走行する実験(車間距離自動制御の実験)に成功した。

自動車同士が通信して車間距離を調整して隊列走行
実証実験では3台のトラックの走行にはもちろんドライバーが乗っている。5Gの車両間通信(4.5GHz帯使用、無線区間の伝送遅延1ms以下)によって一定の車間距離を保って自動走行する「協調型車間距離維持制御」(CACC)という技術が用いられた。無線の方式には「5G-NR」(NRはNew Radioの略)が使われている。「5G-NR」は3GPPにおいて2020年3月以降に標準化が予定されている。

【今回の発表のポイント】:
一般の高速道路で初めて実施された。
一定の車間距離をとっての隊列の自律走行は世界初。
新東名高速道路の試験区間(約14km)を時速約70kmで走行する3台のトラック車両間で、5Gの車両間通信(4.5GHz帯使用、無線区間の伝送遅延1ms以下)を用いて位置情報や速度情報などを共有し、リアルタイムでCACC(Coordinated Adaptive Cruise Control、協調型車間距離維持制御)※1を行いました※ 2。実験は、一般車両が走行する高速道路(公道)という実用的な環境下で行い、試験区間において、CACCによる安定した隊列維持に成功した。

今回の実験の様子(静岡県内:新東名高速)

※1 通信で先行車の制御情報を受信し、車間距離を一定に保つ機能。
※2 隊列走行実験用トラック車両の提供および新東名高速道路での車間距離自動制御実験については、先進モビリティ株式会社の協力・支援を受けた。いきなり自動運転とカルガモ走行による隊列走行が実現するわけではないが、ソフトバンクは実現に向けて着実に一歩ずつ前進していることが感じられる。ソフトバンクはプレスリリースを通じて下記のようにコメントしている。

今後もソフトバンクは、「5G-NR」の無線伝送技術に基づく車両間通信に特有な電波伝搬環境や技術的要求条件を把握する目的で、車両間通信の標準化に先駆けて、実証試験を進めていきます。また、トラック隊列走行の早期実現に向けて、引き続き技術検証および実証評価を行います。


(神崎 洋治)