『トイ・ストーリー4』公開前に知っておきたいピクサーのインサイド・ストーリー
7月12日に全国ロードショーが予定されている新作アニメーション映画『トイ・ストーリー4』。絶大なシリーズ人気を考えると、大ヒットはほぼ間違いないと言っていいだろう。
同シリーズの配給は、言わずと知れたディズニー。制作を手がけるのはピクサー(ピクサー・アニメーション・スタジオ)だ。現在、ピクサーはディズニー傘下にあり、『トイ・ストーリー』『カーズ』『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』といったピクサー制作の作品は「ディズニー/ピクサー映画」のように紹介されることが多い。
ところが、『PIXAR <ピクサー>』(文響社)を読む限り、1995年11月に同社初の長編アニメーション映画『トイ・ストーリー』が大ヒットする直前までのピクサーは、とても「まともな会社」とは言い難かった――主に悪い意味で。企業の体をなしていなかったと言っていいかもしれない。
事業計画はなく、ジョブズをはじめ、社内の誰もこの会社をどう発展させればいいのか、何のアイデアもなかったそうだ。資金繰りは「何とかまかなっている」状態。たまに不足する。そんな時はどうするのか――。驚くなかれ、答えは「ジョブズに泣きつく」である。
スティーブ・ジョブズは、ほとんど直接は経営にタッチしておらず、普段は会社にいなかった。ピクサーの経営陣は毎月、ジョブズのところへ行き、資金の不足を訴える。すると、不足する金額分の小切手をその場で切ってくれるというのだ。
『トイ・ストーリー』の制作費は、契約に基づき、すべてディズニーが出すことになっていた。だが、その契約は著しく不平等なものだったという。映画からの収益のピクサーの取り分はわずか10%ほど。しかも、長編の新作映画を3本(続編は含まれない)制作するまでは、ディズニー以外の仕事ができない。アニメ映画の制作には4年はかかるので、12年も契約に縛られることになる。
そんな、にっちもさっちもいかない状況から同社を救ったのが『PIXAR <ピクサー>』の著者、ローレンス・レビー氏だ。

