若手への思いを語った日本代表FW大迫勇也

写真拡大

 依然として別メニュー調整が続く日本代表FW大迫勇也(ブレーメン)だが、15日の練習ではペースを上げて走る姿を見せるなど、順調な回復ぶりをうかがわせた。トレーニング終了後には、アジアカップ開幕以降初めてペン記者への取材に応じ、出場機会を与えられている若手選手に対して熱い叱咤の弁を語った。

 シーズン中に抱えていた右臀部の違和感が再発し、アジアカップ初戦のトルクメニスタン(◯3-2)にフル出場して以来、全体練習に合流していない大迫。ただ、当初は宿舎での調整が続いたものの、現在は軽いボール回しやランニングも行うなど、徐々にコンディションが戻ってきているようだ。

 普段から、取材陣に口を開く回数はそう多くない。アジア杯が開幕を迎えて以降、ペン記者に向けて発されたのは「頑張ります」といった短い言葉のみ。ビハインドの状況から2得点を決め、苦しみながらの白星スタートに大きく貢献したトルクメニスタン戦の試合後も、それは例外ではなかった。

 しかし、ウズベキスタン戦を2日後に控えたこの日は違った。「2連勝したことは良いことだし、もっと次はしっかりと勝って、1位突破できればというところ」。すでに決勝トーナメント進出を決め、次戦は過去2戦と大幅にメンバーを替えて臨む見込みだが、あえてこのタイミングで重い口を開いた。

 一貫して熱のこもった言葉が続いた。「W杯の時から期待は感じていることだし、ありがたいこと。その中で責任感を持って、プレッシャーの中でプレーできる幸せをあらためて代表で感じている。やりがいがあるところ」。自身にとって日本代表は国を背負う誇りを感じられる場所。そのモチベーションは隠さない。

 だからこそ、満足のいくプレーを見せられない若手には厳しさを求める。「長友さんとかは『若手が力を出せないのはベテランのせい』と言っているけど、僕の考えは違う。若手は自分をもっと出してほしい。日本の中で11人しか試合に出られないわけだし、もっと中に秘めているものを出してほしい」。

 自身が欠場したオマーン戦では、22歳のFW北川航也が先発したが、なかなかボールに絡めないまま途中交代。ベンチから見つめた大迫は「『やってやるぞ』というのをもっと感じたいし、僕らも『負けていられない』という相乗効果になれば良い。まだまだ足りないし、僕らが引っ張るのではなく、下から這い上がってきてほしい」とハングリー精神を煽った。

 それは自身が経験してきた道でもある。「もちろん気持ちはわかる。日本人特有の恥ずかしさは絶対にあるものだと思う。でも本当にないんですよ、こんなチャンスは。ましてや、国際大会で試合に出るということは、日本人の中でも限られた特別な選手しかない」。2度のW杯出場を経てきた自身にとっても、アジア杯は初めての参戦だ。

 その場所に参加しながら、現状では負傷でベンチに座るしかないエースの“半端ない”思い。「もっと先輩に怒ったって良い。文句を言ったって良いから、もっと自分を出してほしいですね」。果たして若手選手に届くのか--。2日後のウズベキスタン戦は、日本代表としての存在価値を体現できるかという点でも大事な一戦になりそうだ。(取材・文 竹内達也)