念願の研究開発力強化法改正、ベンチャー出資解禁で国研にチャンスも
研究開発力強化法は科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(科技イノベ活性化法)に改名され国研による出資が解禁される。これを受け理化学研究所は研究成果を活用する事業や理研発ベンチャーなどに出資する事業会社「理研イノベーション事業法人」を早ければ2019年4月に設立する。
農業・食品産業技術総合研究機構もチャンスを見いだす。久間和生理事長は「研究を社会に届けるための選択肢が広がった」と期待する。これまで農研機構は品種改良や栽培法の開発など農業への貢献が主だったが食品産業に目を向けると巨大な市場が広がる。「米粉パン用の米の品種開発は小麦アレルギーの子どもを救える。世界市場は大きい」と職員に発想の転換を促す。
出資を通して研究成果からの収益を回収できるようになると、国研は自らで使い道を決められる自己収入が増える。国からの運営費交付金や企業との共同研究費などは使用目的が決まっている。国研の組織改革や戦略投資を進めたければ、年度ごとの予算編成を経て政策として実現する必要があった。物質・材料研究機構の橋本和仁理事長は「次は給与の実質的制限の問題。自己収入で優秀な人材を迎える場合は別枠として制限を緩和して頂きたい」と要望する。
(文=小寺貴之)
